フォロワー数44万人以上! 一企業の公式アカウントなのに大人気のSHARPツイッター(@SHARP_JP)。「中の人」シャープさんへのインタビュー後編では、広大なネットの世界の中で「伝えたいことを届ける」方法を伺いました。(前編からつづく)

シャープ公式ツイッターの“中の人”シャープさん

広告がこんなにも嫌われる時代に呟くということ

――「シャープさん」として2011年から活動をされているわけですが、現在のお仕事はこのツイッターに専念するということなんですか?

ADVERTISEMENT

シャープさん いえ、僕はプロモーション部門の社員としてWebの広告を企画したり作ったりするチームにいながら、その傍らでツイッターもしているという感じです。

――社内の各部署からは「この商品をツイッターで宣伝してほしい」という依頼もたくさんあるのではないですか?

シャープさん もちろんです。ただ、宣伝の仕事をずっとやっていてわかったことは、広告というものはこんなにも嫌われているんだ、ということなんです。だから、簡単に商品についてツイートしとけばいいというものじゃないんですよ。

タニタさんとのやりとりもおなじみ

――どういうことですか?

シャープさん これまで僕は数億円という予算を使って、全国津々浦々にコマーシャルを打つようなマス広告を担当してきました。しかし、この時代なかなか手ごたえがなくなってきた。その代わりに増えてきたのがWeb広告ですが、これだって予算に見合った反応をどれほど獲得できるか保証はありません。例えば今、1分間あたりに300時間分のYouTube動画が世界中でアップされ続けているんです。今日1日にアップされた全てのYouTube動画を見ようと思ったら、49年間かかることになる。そんな状況の中で、ネットの海に広告を流しても見られるわけがない。じゃあ何とか見られるようにって、スマホの親指についてくるようなバナー広告が生まれたり、見たい動画の前に被さってくる動画広告が生まれたりしていますが、はっきり言ってどれもうざい。でも見せようと努力しなければネットの海に埋没する、とは言え見せようと工夫すればうざがられる……。広告は四面楚歌です。そこで「SNSで呟く」という方法に期待がかかっているんですが、これだって慎重にやらないと逆効果なんです。