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「おぢと2、3回やってプロになっちゃう」

「未成年の男の子は何もできない、未成年の女の子は売春しかお金をつくりようがない。だから、女の子の収入はほぼ全員がそれです。2021年トー横が盛り上がっていた頃の未成年は、ほぼ全員が売春していました。それぞれがツイッターで客を見つけて、『おぢ』と待ち合わせてホテルに行く。男の子たちは女の子が稼いだお金を貢いでもらう。未成年のカップルはみんなそういう関係」

「おぢ」とは売春客のことをいう。トー横キッズやZ世代の女の子たちの共通語だ。

「売春して精神的にダメージを受けちゃう子は、せいぜい2割くらい。トー横の場所が楽しいのと、家に帰りたくないって気持ちのほうが大きい。だから、ほとんどの女の子は嫌でもなんとか乗り切る。おぢと(セックスを)するのは嫌だけど、2、3回やって慣れちゃったみたいなのが普通。プロになっちゃう」

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※写真はイメージです ©文藝春秋

 売春を繰り返していれば、慣れる。慣れれば夜職の女の子たちと変わらない。未成年の女の子たちは買春男を相手にして稼いだお金で生活しながら、お気に入りの地雷男子に貢いだり、ブランド物を買ったり、遊興費として使った。

 売春代は一回3万円程度と大して高くなく、稼いだお金はその日になくなってしまう。

「女の子たちがトー横に来る目的は地雷男子」

 報道の影響で2021年の夏休み期間から、頻繁に警察が補導に来た。その影響で夏休みには未成年だらけだったトー横は、年末になると未成年らしき子どもたちの姿はなくなっていた。

※写真はイメージです ©文藝春秋

「誰かが来なくなっても、新しく来る子がたくさんいた。人数は変わらなかった。女の子たちがトー横に来る目的は地雷男子。まず警察がしつこく補導に来て、地雷男子が歌舞伎町からだんだん消えていった。理由は補導されて家に戻されたくないとか、彼女ができたとか、いろいろ。だんだんと男が少なくなって、女の子も来なくなって、それでトー横は下火になった」

 トー横で補導された女の子たちは、家に帰って普通の中学生に戻ったり、一人暮らしする大人の家に逃げて居候したり、たまり場が地元になったりと、それぞれだったという。

「そもそもトー横は未成年の女の子に囲まれる未成年の地雷男子がいるというのが基本、1人の地雷男子に5人くらいの女の子が常についているみたいな感じ。そんなグループがいくつもあるみたいな。そこに大人のハウルが現れて当事者ぶった、みたいな構図でした」

#2につづく)

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