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女子中高生とリア恋、“地雷男子”を恫喝、売春を禁止…“トー横の王”ハウルは一体何者だったのか「家出少年や家出少女を相手に自分の王国をつくりたい」

女子中高生とリア恋、“地雷男子”を恫喝、売春を禁止…“トー横の王”ハウルは一体何者だったのか「家出少年や家出少女を相手に自分の王国をつくりたい」

『歌舞伎町と貧困女子』(宝島社)

2023/01/22

genre : ライフ, 社会

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ハウルはダブスタ「独善を押し付けるタイプ」

 トー横キッズを支援する歌舞伎町卍會を立ち上げたハウルは、歌舞伎町の新宿東宝ビル周辺とシネシティ広場をだんだんと仕切るようになった。気に入らない者が立ち入れば脅して追い返し、未成年の女の子や地雷男子に対して貢ぎや貢がれを禁止した。

「彼はあまり誰にも慕われてはなかった。たぶん未成年の女の子と仲良くなりたいとか、何も知らない未成年を支配したいとか、そんな目的だったと思う。2021年の夏なら女の子と仲良くなって肉体関係を持つとか、誰でもできる環境だった。ハウルは女の子たちに売春は悪いとか、地雷男子に貢ぐのはよくないとか言いながら、自分が『うちに猫を見に来ないか』って、未成年の女の子を誘っていた」

小川雅朝容疑者

 ハウルは未成年の女の子の売春や、貢がれる地雷男子の行動を時に恫喝して禁止しながら、自分は「未成年の女の子を誘って肉体関係になって、自分も女の子から貢がれていた」ということのようだ。

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「ハウルはダブルスタンダードでした。だから、みんなハウルを嫌っていた。東新宿か大久保に住んでいて、いろんな女の子が泊まりに行っている。みんな、禁止しながら自分がヤルからダサいよねって。嫌われた理由は、それがいちばん大きい。独善を押しつけるタイプ。ハウルは揉めた相手に対し、トー横とか広場に入れさせないとか、嫌がらせした。加害性がある人にそれをやるならまだしも、本当に飲んでいるだけの人にやるから。反感をすごく買っていた」

小川容疑者

 2021年夏以降、ハウルや歌舞伎町卍會がトー横やシネシティ広場を支配し影響力を強めるなかで、殺人事件が起こった。

 2021年11月27日、歌舞伎町卍會のメンバーだったホームレスの氏家彰さん(当時43歳)が4人の若者にリンチを受けて死亡した。この事件で26歳、24歳の成人男性と2人の少年が逮捕されている。送検される模様が報道されたが、主犯である2人の成人男性はいかにも不良といった風貌だった。

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