5人のパフォーマンスが、最後に地上波で流れた
インスタの「思い出づくり」だけでなく、マリウス葉はカウントダウンコンサートに出演。5人のパフォーマンスが、地上波で流れたのもファンを喜ばせた。私も2022年もあと2分54秒で終わるというとき5人が映った瞬間、頭のてっぺんからヘンな声が出た。きっと全国の茶の間で同じようなオレンジの悲鳴が出ていたはずである。
佐藤勝利を中心に、中島健人と菊池風磨、そして松島聡とマリウス葉という黄金バランスで広がる扇形はやはり抜群に美しい。ああ、どうしても寂しい。まだまだジャニーズにいて、日本で活動してくれないだろうか――。少しセンチメンタルになりながら観ていたが、シャッフルコーナーの振りを任されたマリウスの、
「Johnny's shuffle medley(ジャニーズ・シャッフル・メドレー)!」
という流暢にもほどがある発音を聞き、この人はグローバルな世界で活躍すべき人なのだ、と背中を押す決意がついた。
そして5人最後の「RUN」。姫をエスコートする王子の如く手を前に出す、彼の独特の美しい仕草からはブランクを感じさせず。
前述の「RIDE ON TIME」で、「多分、筋肉は(パフォーマンスを)覚えていると思うんですよね」と語っていた通り、彼の筋肉は確かに、走り続けてきた日々を覚えていた。
「RIDE ON TIME」ではドームやカウコン、卒業旅行の裏側にカメラが入っていたが、そこには、「実感がない」を繰り返す、マリウス葉の寂しさも映し出されていた。そして、涙をためながらドームの4人を見守る姿に、この人は4人に刺激を受け、愛され、ちゃんとアイドルを楽しんだのだろうと思った。これはファンにとって何より確認したかったことである。そんな答え合わせができた30分。おかげで私は今でも、主題歌の「RIDE ON TIME」の「青い~す~い平線を~♪」の部分を聴いただけで涙が出てくるという後遺症に悩んでいる。山下達郎、巻き込まれ事故である。