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助産所でのお産存続求め署名提出も…
21年12月には市議会でもこの問題が議題に上がり、今津寛介市長は「産むための環境の確保について、関係機関や関係団体等と課題認識の共有や連携を図りながら、医療資源の維持、充実に向けた取り組みを進める」と答弁。22年3月には市議会が「助産所が連携医療機関を確保できず全国的に減少している」として、国に対する「子どもを産むための環境整備を求める」とする意見書を全会一致で可決した。4月には助産所での出産経験者ら有志が、助産所でのお産存続を求める4985人分の署名を市に提出した。
だが、これだけの動きがあったにも関わらず、旭川市で嘱託医療機関の後継は見つからず、事態は進まなかった。
業を煮やした北田さんや支援者らは22年12月6日、旭川簡易裁判所に対して民事調停を申し立てた。相手方は、旭川医大病院の産婦人科科長、旭川産婦人科医会会長、旭川市副市長の3人。申し立ては「旭川医大病院が北田さんとの間で嘱託医療機関委嘱契約を結ぶよう協力を求める」という趣旨だ。
この申し立てにおいて、市内3カ所の病院の中で、なぜ委嘱契約の相手は旭川医大病院に限られたのか。
「旭川医大の産婦人科科長・加藤育民(やすひと)教授が、地域のヒエラルキーのトップだからです」(北田さん)
市内の助産師Bさんは、市立旭川病院の産婦人科医に嘱託医を依頼した際、こう言われたという。
「順番を間違えている。まずは医大に挨拶に行くのが先じゃないですか」