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住宅資金贈与の非課税は「資産格差を助長するもの」という見方

 もともとこの住宅資金贈与については、2020年度では省エネ住宅で3000万円(その他住宅で2500万円)までの贈与については非課税となっていたのが徐々に縮小されてきた。住宅は一般国民にとっては大きな出費を伴うイベントであり、住宅という財産を形成するための資金援助については、非課税枠を設けてきたのだが、これも「資産格差を助長するもの」として廃止の方向性が打ち出されたのだ。

 今後、延長措置が講じられる可能性は残されてはいるものの、現時点ではこの非課税枠は今年の年末までの贈与に限られるものとなる。

 具体的には、年内に贈与が行われ、例えば新築マンションなどの場合では、翌年、つまり24年3月15日までに引き渡しが行われている必要がある。また引き渡しを受けた住宅に翌年3月15日までに居住していることも要件となっていて、何らかの理由があったとしても翌年末までに入居していることが必要になる。

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「1000万円の資金援助」に課税される場合の計算式

 現在販売されている新築マンションで来年3月15日までに引き渡しを受けられる物件にはすでに限りがあり、この延長措置が講じられないままであると、今年新築マンションの購入を考え、資金の一部を親などからの贈与として受けることを考えていた人たちには、資金計画に狂いが生じることになろう。

©AFLO

 従来の措置のままであれば、省エネ住宅で例えば親から1000万円の資金援助を受けても非課税であったものが、贈与税を適用されてしまうと、

(1000万円-110万円)×30%-90万円(基礎控除額)=177万円

 の税金を課されることになる。日本の場合、税を支払うのは受け取った側、つまり親から資金贈与を受けた子供になる。結構な負担額である。

 親からの資金援助を前提に住宅購入を考えているのならば、もう今すぐに動いて、来年3月末までに入居できる物件の購入に走る必要があるだろう。