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『花より男子』で深い仲に…松本潤(39)が『鎌倉殿の13人』最終回への出演を願い出たワケ《どうする家康》

2023/01/22
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 ちなみに『東京タワー』で松本が恋に落ちる人妻を演じたのは、『どうする家康』で語りを担当する寺島しのぶだった。彼女とは撮影中、演技以外の話も含め色々な話をするなかで、ここはこうしようああしようとディスカッションしながら芝居をつくっていったという。当時、20代前半の松本にとって、そういう経験ができたのはかなり大きかったようだ(『キネマ旬報NEXT』Vol.15)。今回も、語りが寺島に決まると松本は大きな期待をかけ、2人で《語りの主は、徳川家康をよく知る女性かな?
歴史上の人物かな?》といった話もしたという(『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 前編』NHK出版)。

ジャニー社長からの電話

 そもそも松本がジャニーズに入るきっかけは、自分で事務所に履歴書を送ったことだった。2つ上の姉がジャニーズファンで、一緒にビデオなどを見ているうちに、あの華やかな世界に自分も行きたいと、いつのまにか本気で思うようになっていたのだという。

 履歴書を送ってからしばらく何も反応がなく、半ばあきらめかけていたところ、当時のジャニー喜多川社長から電話があり、ダンスレッスンに誘われた。こうして半信半疑でレッスンに通い出したが、この世界に夢中になるのに時間はかからなかった。ちょうどジャニーズJr.だけで番組を持ったり、コンサートを行ったりできるようになった時期で、松本も13歳で入所した直後より、ジャニーズの先輩やそれ以外の芸能人と仕事をする機会に恵まれる。何も知らない中学生が浮かれるには十分な境遇だ。

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©文藝春秋

 だが、こういうラッキーな出方をしたことは、じつは危ういのだとだんだん気づき始める。仕事をする先輩たちの姿を見るうち、「あれ、オレ何か、違うな。どうも、このままでは、ダメみたいだな。だけど、どこがいけないのか全然わかんねぇぞ」と思うようになったというのだ。

ついにやって来た「デビューの話」

 まさに“どうする松潤?”というべき局面だが、それでも彼はわからないなりに、プロの自覚をもって仕事に向き合うようになる。それが中学3年ぐらいのことで、ちょうどそのタイミングで嵐というグループでデビューする話が来た。こうして1999年、松本は嵐の一員としてCDデビューを果たす。夢がかなうとともに、《それまでフリーターだったのが、やっと正社員として採用された、みたいな》立場となり、ちょっとホッとしたという(『婦人公論』2005年12月7日号)。

 以来、個人でも俳優として着実にステップを踏んでいく。2001年に『金田一少年の事件簿』でドラマ初主演を果たすと、翌年には学園ドラマ『ごくせん』の生徒役で脚光を浴びる。その後盟友となる小栗旬と初めて共演したのも同作だが、このときは互いについてあまり知り合うことはなかったらしい。