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『花より男子』で深い仲に…松本潤(39)が『鎌倉殿の13人』最終回への出演を願い出たワケ《どうする家康》

2023/01/22
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 今回の『どうする家康』では、従来、「悪女」のレッテルを貼られてきた家康の正室・瀬名(築山殿)を、有村架純がそのイメージを覆すようにホンワカとした雰囲気で演じているのも注目される。

 有村は、松本とはこれで3度目の共演となる。NHKのドラマ公式ガイドブックでの2人と脚本の古沢良太を交えた鼎談では、松本が《有村さんとの共演は3回目ですね。最初は僕の妹役、次が恋人役、今回が妻役。徐々にステップアップしているよね(笑)》と話していた(『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 前編』)。もっとも、ドラマ『失恋ショコラティエ』(2014年)に続く2度目の共演となった映画『ナラタージュ』(2017年)は、高校教師と元生徒の禁断の恋を描いたものだけに、恋人役というにはちょっとねじれた関係だ。

有村架純が感服した、松本潤の姿

『ナラタージュ』の撮影は嵐のコンサートと重なったため、松本はロケ先の富山と会場を行ったり来たりすることになった。有村は撮影時を振り返り、《松本さんがいないときは私が現場を守らないと、という気持ちもあって必死でした。「松本さんが戻る場所、確保!」みたいな(笑)。松本さんが現場にいらっしゃると安心して、肩の力がちょっとだけ抜けたんです》と語っている(『AERA』2017年10月9日号)。これを読むと、このときの有村はそのまま、『どうする家康』で家康が桶狭間へ出陣中、駿府で夫の留守を預かる瀬名の姿へとつながっているように思える。

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『ナラタージュ』(2017年)

 有村はまた、松本が『ナラタージュ』の現場で目端を利かせる姿に感服したという。これについて本人は、さほど意識しているわけではないと断りながら、《でも、自分以外の人たちがどう動いているのかはよく見えるほうかもしれません。誰がどこで何をしているのか、常に把握しようとしてしまう》、《僕がすべき仕事はカメラの前でお芝居をすることですが、加えて、もっと自分が現場でできることはないか、常に探しています。そう思って周りを見ると、同じように頑張っている人がいるのもわかるし、そういう人たちと「ものを作る実感」をより強く感じたいと思うようになる。完璧を求めているわけじゃなくて、「気にしい」なんですよ(笑)》と遠慮がちに述べている(『AERA』前掲号)。

 思えば、周囲に細心の注意を払うところは家康と通じるかもしれない。家康の場合はその積み重ねのうえ、家臣団をまとめあげ、ついには天下人へと昇り詰めたといえる。劇中ではいまのところ、家康が家臣たちから、ときに叱責されながらもリーダーとして覚醒していく過程が描かれている。ここから、瀬名との悲劇的な結末を含め紆余曲折を経て、老境に入り江戸幕府を開くにいたる家康を松本がどう演じるのか、現時点では想像もつかないが、その変化の過程こそ今回の大河ドラマの最大の見どころとなりそうだ。

『花より男子』で深い仲に…松本潤(39)が『鎌倉殿の13人』最終回への出演を願い出たワケ《どうする家康》

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