進一 ひとりで眠れない、物音に反応しちゃって安心できないって聞いて「そういうことね。じゃあ、全然いいよ。泊まりに来なよ」って。そこからはずっと連続で、たまに帰るぐらいで。
2人の関係性が変わった出来事
ーーどういったタイミングで関係性が変わりました?
進一 ゴールデンウィークの時期ですね。店で杏里が痙攣を起こしたんですよ。手と顔面。
杏里 すごい爆笑したら、始まって。
進一 爆笑してツボった時に、ピクついたまま戻らなかったんですね。最初はまわりも爆笑してたから違和感を感じなかったんですけど、静まった時も痙攣が止まんないから一回店の外に連れてって「それ、痙攣だよね」って。もう本人はしゃべれない状態で、返事するにも首を縦に振るか横に振るしかできなくて。
ゴールデンウィークで病院がやってなかったから、とりあえず大久保病院の緊急外来に「お願いします」って。お店に僕ひとりだったんで、常連のお客さんの子に病院まで送ってもらって。あの日は点滴かなんか打ったの?
杏里 血液検査だけで、寝たら収まった。その頃、この店で働くようになっていたんですよ。それまでは夜の仕事が多くて、朝から夕方まで働くことなんてなかったので、その疲れもあったのかも。
「この人だったら信用できるな」と思った
進一 普段と違う環境になると、痙攣が起きやすいらしくて。その日、帰ってから電話して、念のため「クスリとかやってないよね?」って、聞いたんです。
杏里 ネットでそういったことを書かれていたので、彼のほうでも「そういうのやってないのかな?」と思ったらしくて。
進一 「俺には絶対に嘘つかないで」って言って聞いた時に、すっごい泣きながら訴えかけてきたんです。「本当に私はやってない」って。
杏里 「それだけは信じてほしい」っていう。
進一 真剣に訴えるので「わかったよ。へんなこと聞いちゃってごめんね」って。ただ、彼女的には、痙攣を起こした杏里に対する僕の対応を見て、信用できたっていうんです。
杏里 そう、あの時に「この人だったら信用できるな」と思ったんです。
ーー具体的にどういった対応の仕方に、「信用できるな」と思えたのでしょう。
杏里 冷静で迅速な対応。慌てず、偏見もなく、病院に電話して「こういう状況なんで」って事細かく説明して。その日の夜に自分の家に戻ったら「大丈夫? 話できる?」って、連絡をくれて。「人としてちゃんとしてる」と感じたんです。