ーー自分で稼がずに贅沢を経験していると、芸人だろうとなんだろうと生きるうえでのハングリーさがなくなると。
藤井 親がビジネスなのに子どもがエコノミーって、たしかに変な話ですよ。けれども、親がそういうふうに育ててくれたおかげで普通の感覚を持つことができたといいますか。
玄関だけ異様に広い宮迫家
ーー小さな頃は「うちはよその家とは違う」と感じていたのですか。
藤井 親父がテレビに出ている人なんだなとは、小さい頃から認識してました。でも、家では普通にお父さんしていたと思うので。あと、小学校、中学校のとき、周りのみんなが「お父さん、宮迫でしょ」とか「会わせてよ」とか言ってこなかったんですよ。だから中学まで、学校では変に悩むこともなくて。
山口 僕や他の子たちも、藤井や親父さんを特別視することはまったくなかったですね。ただ、運動会や授業参観日に藤井の親父さんが来てると、他の学年のお母さんたちが盛り上がってたような。
藤井 いや、そんなでもなかった気がする。
ーー山口さんは「宮迫家ってうちとは違うな」と感じる部分はありますか? たとえば、家がでかいとか。
山口 あんまり、よその家に興味を持たないんですよね。とりあえず藤井んちは、前の家もいまの家も玄関だけ異様に広いんですよ。友達の家のなかでも、ずば抜けて広くて大きい。
藤井 たしかに。だから、みんな驚くんですよ。玄関で「うわ、凄くない?」となるけど、部屋にあがったら賃貸感バリバリなんで「あれ、なんか普通じゃん」みたいな。
YouTubeでの親子共演を説得されていた
ーー取材にあたっていろいろ資料を読み込んでいたら、公立の小学校と中学校に通われていたのは意外な驚きでした。私立のハイソ校に通っているものとばかり。
藤井 ほんとですか? 私立のすごいところに通ってたら、お笑いやってないかもしれないですね。
山口 そうかもね。
藤井 芸人仲間にも「豪華な生活してたの?」とか聞かれるけど、一切なかったんで。さっきのエコノミーもそうですけど、欲しい物をボンボン買ってもらうなんてなかったし、後輩の芸人さんが家に来てワイワイガヤガヤしていることもなかった。
ーー昨年11月24日、宮迫さんのYouTubeチャンネル『宮迫ですッ!』で親子初共演を果たしました。宮迫さんから説得されての共演でしたが、ずっと「出ないか」と言われていたのですか?
藤井 一昨年の年末あたりから説得されるように。でも、親父は酔っ払ってる時にしか言ってこないんですよ。父子でお酒を飲むことはほとんどないんですけど、たまーに飲むと「ちょっと出えへんか?」と。言われるたびに断ってました。山口にも「出ないかって言われたんだけど」と、毎回報告はしてましたね。
山口 僕は出たかったので報告されると「出たい!」って言うんですけど、そうすると藤井は「後で考えるわ」って。そのうち答えが「おまえは黙っててくれ」に変わっていきました(笑)。