ただ――、「日本で良かった」と安穏としてばかりはいられない。
改めて思うのは、今のままでは日本は中国の猛烈な勢いに押され続けてしまうということだ。
日本も70億人を相手に
確かに、新しい「インベンション(発明)」を生み出す力や、「スマホ」や「自動車」などのR&D(研究開発)については、日本もまだまだ世界的な競争力を維持していると思う。「品質」に対するこだわりも素晴らしいものがあるだろう。
ただ、その「技術や品質へのこだわり」は、新しいチャレンジを躊躇させる原因にもなる。その弊害にも目を向けなければならない。様々なチャレンジがしやすくなる文化、つまり、失敗が許容される文化を社会全体で醸成していくことが求められる。
そしてこの国に決定的に欠けているのは、「インベンション」と「R&D」――その2つの間に生まれる「新しい技術を使った世界に通用するサービス」を生み出す力だ。
海外で成功したビジネスモデルの「日本版」をいくら作っても、そこに生み出される市場は、14億人の人口を誇る中国とは違って、たかだか1億2000万人という規模に過ぎない。そうではなく、これからの日本は、70億人という世界のマーケットを相手に先進的なサービスの発信地になるべきだ。
確かに、今の中国のような国の在り方は、僕には受け入れ難い。もっともっと自由にモノが言える国に変わって欲しいと切に願う。
けれど、日本もまた、もっともっと変わっていかなくてはならないのだ。
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