「サバサバしてる」ーーこれは「たいていの女性はネチネチしている」という偏見を前提に、主に女性へ向けられる表現だ。しかし不思議なことに、第三者から「サバサバしてるよね」と言われる人はさっぱりした性格なのに、自分のことを「サバサバしてる」と形容する人は、人一倍ネチネチしていたり、しつこい人が多い。
そんな煙たがられる“自称サバサバ女”を主人公に、一時期は「死ぬほど広告に出てた」とまで言われた人気WEB漫画『ワタシってサバサバしてるから』(以下『ワタサバ』)が、実写ドラマになった。しかも、あのNHKでだ。
主人公の網浜さんを演じるのは、ロバート秋山などのモノマネで注目された、タレントの丸山礼。サバサバ女こそ至高だと思っている彼女は、「ワタシってサバサバしてるから」を盾に、デリカシーのない言動で周囲を困惑させている。
生きていて、さすがに網浜さんほどの人物に出会うことはそうない(と思いたい)が、自分のことをサバサバしてると思っていそうな、いわば“リトル網浜さん”は現実にも存在するよな……と、その“自サバ女あるある”につい頷きたくなってしまうところが、この作品の妙である。
『ワタサバ』を放送しているNHKの夜ドラ枠(毎週月曜~木曜22:45)は、第1作目の『卒業タイムリミット』を皮切りに、『今日から俺は‼︎』の作者・西森博之の最新作『カナカナ』など、NHKドラマの中でも特に若者を意識した作品が並ぶ。
『ワタサバ』と同じく人気のWEB漫画からの実写化で、チャリティープロジェクトも話題になった『作りたい女と食べたい女』も、先月に放送を終えたばかりだ。
少しずつ網浜さんを好きになっていく要因
さて、そんなドラマ版『ワタサバ』だが、アンミカ演じるストーリーテラーがいたり、サバサバと魚の“鯖”をかけて海をモチーフにしていたりと、ドラマならではの要素が多々ある。なかでも驚いたのが、第1話のラストシーンで画面に映ったこの文言だった。
「皆さんが網浜奈美を好きになるまであと19日」