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ドロドロした原作漫画が、なぜか爽やかドラマに…“女版ロバート秋山”・丸山礼の「アドリブ力」がちょっとスゴい

2023/01/30
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 あの広告の一コマからは想像できない網浜さんの本音は、私たちが抱えているものと大きくは変わらない。「サバサバ」という言葉で自分を奮い立たせ、網浜さんは網浜さんなりに、この社会に風穴を開けようとしてるのでは……なんて、思ってしまうのだ。

ライバル役・トリンドルとの関係に萌える視聴者も

 さらにドラマ版を爽快にしているのが、“真性サバサバ女”こと本田さん(トリンドル玲奈)。美人で仕事もできる才色兼備で、周りからも“サバサバしてる”と名高い。しかし、パーフェクトな彼女だからこそ、網浜さんがママに愚痴った「上辺だけのロボットみたいな人間」に映ることもあるのかもしれない。

 “自サバ女の対”として現われる本田さんだが、ドラマ版では網浜さんの良きライバルであり、ストッパーであり、良き相方になっている。網浜さんがボケるシーンで一番に笑うのが本田さんだったり、ちょっと天然な本田さんに網浜さんがツッコんだり、網浜さんが思わぬ形で本田さんを庇う場面も。その関係性は、ドラマ版のほうがさらに微笑ましく、Twitter上では網浜×本田の“公式スピンオフ”も大盛り上がりだ。

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ライバル役・本田麻衣を演じるトリンドル玲奈 ©Getty

 水と油のように正反対の性格だが、100%の熱量で言い合う彼女たちの姿は、どこか生き生きして見える。友達でも恋人でもなく、会社の同僚という枠組みを超えた“自分が自分らしくいられる”網浜さんと本田さんみたいな結びつきは、あらゆる世代が求めているようにも思うのだ。

 かといって、網浜さんの身勝手な物言いや自己中心的な行動は、ドラマ版でも健在だ。それゆえ、網浜さんのことを好きになっている人もいれば、どうしても好きになれない人もいると思う。でもそれでいい、好きになれなくてもいい。もし、世間の波にのれないと悩む人がいたら、網浜さんなら笑い飛ばしてくれるのだろう。「他人がどう思おうと関係ないじゃん?」と。

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