――U字工事が『M-1グランプリ』の決勝に進出した時代と、有田さんが空耳で爪痕を残していた時代が重なるってドラマティックですよ。
有田 空耳のオファーは、最初は事務所にエキストラとして参加できないかみたいな感じで来たんです。元々、アミー・パークに役者志望の芸人がいて、彼らが空耳に出ていた。それをきっかけに、事務所の中で他に出れそうな人がいないか……ということで、僕が行くみたいな。
自分で言うのもおこがましいんですけど、僕はすごく座持ちのいい芸人なんです(笑)。空耳に出演するようになって、スタッフさんと仲良くなってくると、そこからは毎週1回くらいは呼ばれるようになっていきました。
初出演で受けた洗礼
――最初に出演した、記念すべきファースト空耳というのは、覚えていらっしゃるんですか?
有田 おそらく1発目は、「フルチンを蒸らす」という空耳だったと思います。右も左もわからずに現場へ行って、「おはようございます」って挨拶したら、「あ、じゃあ、ちょっと脱いでおいて」って言われまして。現場はSMクラブみたいなところだったんですけど、何をどうしていいかわからないから、とりあえず全裸で待機して。
しばらくして、「はい、じゃあ、有田さん、お願いします」って急に縛られると、SM嬢っぽい方が出てきて、僕の股間の上に熱々のおしぼりを乗っけていくというネタでした。2回ぐらい乗っけられた後に、「熱いリアクションとって!」と言われてリアクションしたら、「はい、オッケーです!」と言われて終了という感じでした。
――よくわからないまま?
有田 よくわからないまま。基本的に、空耳って慣れていくしかないんです。当時は、ラジカセに空耳の曲が入っていて、「ここからが『フルチンを蒸らす』って聞こえるからね。聴いてね」と言われて、「はい」って返して。「叫び声と一緒に口を開けてください」とかディレクションされるので、即興で合わせていく感じです。もう慣れていくしかないんです(笑)。
写真撮影=橋本篤/文藝春秋
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