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「我慢できなくて、ゴムを外してやることも…」援助交際を経てセックス依存症になった発達障害女性(21)の告白

『ひとつにならない 発達障害者がセックスについて語ること』より #2

2023/02/02

genre : ライフ, 社会

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 高校生活は苦痛だった。中学より遠くなったので、早く起きなくてはならないが、朝は起きられず、眼が覚めたら昼になっている。授業中は寝てばかり。試験前に、友だちは社交辞令で「私勉強してない、やばいよ」と言いあっていた。唯さんも「していない」と言った。唯さんの場合は真実。友だちも理解するようになり、「唯の言葉だけは信じられる」と言われるようになった。私も同様だったな、と懐かしい。私の「勉強してない」発言はいつも真実で、苦手な科目はつねにひどい点数だった。

 唯さんは演劇部に入った。「すっごく楽しかったです。没頭できる。自分の世界に入ることは得意だったんですよね。基本、人間ってひとつの人生しか体験できないじゃないですか。でも演劇をやると、少しでも別の人生を歩める。それが楽しくて」。私が「『ガラスの仮面』のヒロインみたいですね、彼女も注意欠如・多動症の特性を感じさせます」と言うと、「ほんとそうですよね。大納得。私も抜けたところがあって、いつも波乱万丈。主人公タイプかも」と応じる。

ほぼトリプルスコアの男性と男女の関係になり…

 しかし部活をやっていても、作業を期限内に済ませられないという注意欠如・多動症の特性が出た。台本を書きなおす必要があったから、友だちに「私はひとりではやらないから、電話をつないだままでいて」と頼んだ。発達障害者はこのようにさまざまなライフハック、つまり仕事術を独自に開発していく。

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 高校1年生のとき、SNSのオフ会で45歳の男性から猛烈なアプローチを受け、まず体の関係を持った。少し前に15歳と30歳というダブルスコアの恋愛関係を体験したばかりなのに、今度は16歳と45歳でほぼトリプルスコアの男女関係。「こんなにもステップアップしても良いのか」と唯さんは自分の「キャリア形成」について思案した。

「その人は自称『調教師』で、フランス製の媚薬を注射されたことがあって、その日は6回ぶっ倒れました。変わったセックスができて良かったんですけど、3回目くらいのときに2万円渡されるようになって。最初はなんのお金かわからなかったんです。でもだんだんと違和感が大きくなってきて。金銭感覚と貞操観念が狂っていくような……。でもそれで、私の性の価値はプライスレスではなくなってしまった。お金には代えられない尊いものではなくなったって感じてつらかったんです」。

 結局その人とは恋人同士にはならなかった。学校で唯さんはクラスメイトにアプローチしていて、その人と恋人関係を結び、1年3カ月ほど交際した。