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冬は極寒、まともに料理ができない

──ほかに3畳ワンルームに住んでみて困ったことはありますか。

佐々木 いろいろありますよ。玄関が狭すぎてシューズラックを置けないので、靴はスニーカー2足しか持っていませんし。それと建物自体はきれいで新しいんですが、しょせん木造アパートなので冬はめちゃくちゃ寒い。家賃6万円台なのになぜ床暖房がついているのかが不思議だったんですが、最初の冬にその理由がわかりました。

──床暖房が必要なくらい冬は極寒になるということですね。

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佐々木 壁際にいると外の冷気がダイレクトに伝わってくるので、冬は部屋の中でもダウンを着ています。あとキッチンが狭すぎるのでまともに料理ができない。出費を抑えるには自炊するのが一番いいじゃないですか。でも、キッチンと呼ぶにはあまりにも狭いので、めちゃくちゃ料理がしにくいんです。

 とくにヤバいのはお粗末すぎる換気扇です。昨年の秋ごろ、たまには贅沢しようとスーパーで牛肉を買って家でステーキを焼いたんですね。すると、換気扇が全然機能しないので部屋全体がモクモクになり、火災報知器がけたたましく鳴り響いて「火事です!」とか騒ぎ始めて。3畳ワンルームで料理はできないと思いました。

住んでいる住民は30~40代の地味なサラリーマン風の男性ばかり

──ちゃんと料理をすることは想定してないのかもしれません。

佐々木 たぶんそうだと思います。ゴミ置き場に行くと、ほかの住民が捨てているのは缶コーヒーとかの空き缶ばかりで、食材や調味料などの瓶が捨てられているのは見たことがありません。隣の部屋のおじさんなんて、食事はほぼウーバーイーツを頼んでいます。

──そもそもアパートにはどんな人が住んでいるんですか。

佐々木 3畳ワンルームを取り上げるネット記事やYouTubeなどを見ると、20代のおしゃれな若者ばかりが紹介されているじゃないですか。狭い部屋なりに工夫してインテリアに凝り、家賃が安い分、余ったお金をファッションに回すみたいな。でも、正直、うちのアパートにいるのは30~40代の地味なサラリーマン風の男性ばかりです。おしゃれな20代の若者の住民なんかひとりもいませんよ。

 3畳ワンルームのメリットは、都心の人気エリアに通常のワンルームマンションより安い家賃で住めること。つまり、部屋の広さより職場に近いなどの利便性を重視する人に向いているとされている。そうした点について佐々木さんはどう感じているのだろうか。