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「3畳ワンルームに向いている人」とは?

──実際に住んでみて、佐々木さんが感じた「3畳ワンルームに向いている人」「3畳ワンルームに不向きな人」を教えてください。

佐々木 たしかに、3畳ワンルームの多くは便利な場所にあり、その利便性の高さと家賃の安さは大きなメリットです。でも、そういうことだけ考えて住むと失敗するかもしれません。とくに向いていないのは「自分の部屋ではリラックスしたい」と思っている人です。

 考えてみてください。3畳の空間に生活のすべてを詰め込んで暮らすんですよ。心の底からリラックスするなんて、できるはずないじゃないですか。木造アパートなのでほかの住民の生活音も聞こえるし。僕はそうした環境にある程度慣れましたけど、できることなら引っ越したい。

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──レオパレスみたいに隣の生活音が聞こえるんですか?

佐々木 あそこまでひどくはないですよ。一時期のレオパレスは隣の部屋の蛍光灯を消す音や爪を切る音まで聞こえるっていわれていましたから。でも、イビキや洗濯機の音なんかはガンガン聞こえてきます。以前に10代の女の子が住んでいたんですが、彼氏が部屋にきたときは夜中にアノ声がアパート中に響き渡っていました。

 それに、ただでさえ壁が薄いのに3畳ワンルームには塀が設置されていない物件が多いので、外の音も全部聞こえてくるし、外からの目隠しもない。1階に住んだら最悪です。僕なんて、着替えるために全裸になっているとき、道路を歩くおばさんと窓ごしに目が合ったことが何度もあります。

──なるほど。プライバシーも何もあったものじゃないですね。

佐々木 逆にいうと、細かいことを気にしない大雑把な人は3畳ワンルームに向いていると思います。この家賃の安さと都心部へのアクセスの良さを味わったら、もう普通のワンルームに住むのが嫌になるかもしれません。まあ、それでも僕は引っ越したいですけど。

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 相場よりも安い賃料で都心の好立地な場所に住むことのできる極小アパートのトレンドはしばらく続くといわれている。ただし、安い家賃や利便性だけを考えて3畳ワンルームを選ぶなら、こうした体験談を参考にしたほうが良さそうだ。