〈あらすじ〉

 小説家のエマニュエル(ソフィー・マルソー)の、85歳の父アンドレ(アンドレ・デュソリエ)が脳卒中で倒れ、病院に搬送された。命に別状はなかったが、体に麻痺が残り、そのまま入院することに。アンドレは、エマニュエルの手を取り「終わらせてほしい」と安楽死を願う。父親の気が変わることに期待しつつ、エマニュエルは妹のパスカル(ジェラルディーヌ・ペラス)と一緒に、安楽死を合法的に支援するスイスの協会とコンタクトを取る。アンドレは日に日に元気になり、生きる喜びを取り戻したように見えたのだが……。

〈解説〉

『Summer of 85』に続くフランソワ・オゾンの脚本・監督作。安楽死を望む父親に翻弄される娘が、人生、家族、死に向き合う姿を描く。113分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆「私の人生は美しかった」と言い切る老人。中年となったS・マルソー。老女となったC・ランプリング。笑いと、涙?

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆苦くて沈鬱な話かと思ったら、制御と妥協の質が意外に高い。演技とキャメラが心の乱れを露出しないのは、一種の成熟。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆以前のように体が動かせない恐怖や怒り、老父の底なしの傲慢さが他人事じゃなく心に刺さる。なぜか結末には癒された。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆適温を保つ凄いバランス力。尊厳死という主題を澄明なタッチで描く監督の洒脱さと誠実さ。ゴダールの件をやはり連想。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆尊厳死と向き合うマルソーを経由することで道徳的倫理観も哀愁に沈まず着火し映画的に。違った味わいのオゾン節。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© 2020 MANDARIN PRODUCTION - FOZ - France 2 CINEMA - PLAYTIME PRODUCTION - SCOPE PICTURES

INFORMATION

『すべてうまくいきますように』(仏・ベルギー)
2月3日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで公開
https://ewf-movie.jp/