〈あらすじ〉
メキシコ北部の町で、シエロ(アルセリア・ラミレス)は、10代の娘ラウラと二人で慎ましやかに暮らしていた。ある日、ラウラが出かけた数時間後、シエロの前に若い男が現れ、娘を誘拐した、身代金を払えと要求してくる。シエロは別居中の夫のグスタボ(アルバロ・ゲレロ)と金を工面し、20万ペソもの大金を払うが、娘は帰ってこない。警察に相談しても埒が明かないため、シエロは自ら捜査を始める。そんな中、この町に着任したばかりの軍のラマルケ中尉(ホルヘ・A・ヒメネス)が、シエロに、条件付きでの協力を持ちかけてくる。
〈解説〉
メキシコで横行する誘拐ビジネスの闇に迫るクライム・スリラー。ドキュメンタリーで実績のあるテオドラ・アナ・ミハイ監督による初の長編劇映画。135分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆「母は強し」という話だが、それよりも警察がアテにならないことにイラつく。「母」を演じた女優は迫真の演技だけれど。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆悪夢的な描写の握力は強いが、ドキュメンタリー風の撮り方とスリラーに近い語り口が肉離れを起こしている。もどかしい。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆母の行動が正義や愛からではなく、真実を目の当たりにせずにおれない衝動のように思えた。この治安の悪さが日常とは。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆独力で邁進する市民が真相に近づくほど闇の深さに呆然とする。ミステリーの向こう側に現実の混沌が煮えたぎる。熱作。
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洞口依子(女優)
★★★★★人物の顔を繊細に観察するカメラ。表情と生々しい音声が非情さを炙り出す演出の凄味。主演女優の眼差しに痺れた!
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『母の聖戦』(ベルギー、ルーマニア、メキシコ)
1月20日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開
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