〈あらすじ〉
ユダヤ人への迫害が始まっていた1942年1月20日、ベルリンのヴァンゼー湖畔に建つ大邸宅で、ある会議が始まろうとしていた。主催は国家保安本部長官のラインハルト・ハイドリヒ(フィリップ・ホフマイヤー)、参加者はナチス親衛隊と各事務次官と秘書、議題はユダヤ人問題の最終的解決だ。この“最終的解決”とは、ヨーロッパにおけるユダヤ人1100万人を計画的に駆除することを意味するコード名。正午に会議が始まると、移送、強制収容と労働、計画的殺害といった方策がわずか90分の間に次々と議決されていく。
〈解説〉
ホロコーストの過激化のきっかけとなった〈ヴァンゼー会議〉の全貌を、アドルフ・アイヒマンの議事録に基づき映画化。マッティ・ゲショネック監督作。112分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆一種の密室劇、しかも重要会議なのにダレることなく観られた。「徹底性はドイツ人の美徳」とのセリフ、「確かに」と苦笑。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆感情と想像力を欠いた合理主義のおぞましさはよく出ている。演技の精度も高いが、室内劇特有の窮屈さを突き破れない。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆「人種の劣化」「民族の衛生」他にも震えあがる言葉の数々。効率を求める会議や立ち話が戦争の恐ろしさを一層克明に。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆アーレントが言う「凡庸な悪」の極点に座する15人の男。机上で決定される残虐なシステム。他人事ではない地獄の縮図。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆アーカイブ映像を差し込まずに議事録をそのまま再生したビジネス映画の様な演出がヴァンゼーの冷酷さを煽る。辛い。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『ヒトラーのための虐殺会議』(独)
1月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
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