〈あらすじ〉
エルヴィラ(リア・マイレン)は、恋に恋する18歳。スウェランディア王国のユリアン王子(イサーク・カムロート)による愛の詩集にうっとりして王子との結婚を夢見ている。そんなエルヴィラは、母レベッカ(アーネ・ダール・トルプ)の再婚のため、妹アルマ(フロー・ファゲーリ)とともに、ある貴族の城へとやってきた。そこには、新しく義姉妹となるアグネス(テア・ソフィー・ロック・ネス)もいた。
ところが、その再婚相手が急逝。しかも互いに財産目当ての結婚だったことが明らかになる。そんな折、ユリアン王子がお妃探しの舞踏会を開くという。エルヴィラは胸をときめかすが、家柄にも容姿にも恵まれたアグネスとは対照的に、エルヴィラの口元には矯正器具、鼻の形も体型もいまひとつ。しかし、このチャンスを逃すまいと、レベッカは娘を美容整形医のもとへと連れていき――。
〈見どころ〉
おとぎ話「シンデレラ」をベースとした世界観を表現するために、衣装、美術、ロケ地などにはとりわけこだわっている。
北欧発のゴシック・ボディホラー!
舞踏会で王子様に選ばれるためなら美容整形から究極のダイエットまで手段を選ばない、母と娘の執念を描く。クローネンバーグ監督を彷彿とさせるグロテスクな描写で、世界で称賛を浴びている。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆ひねりの利いた発想は技ありだし、ボディホラーの器に毒気と批評精神をたっぷり盛った手腕も侮りがたいが、駄目押しの描写が多すぎる。くどい味つけで勝負を挑んだにせよ、佃煮を茶碗に一杯、供された感じがなくもない。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆資産は不動産(城)だけの貴族の元に、娘二人を連れてエロス剥き出しで嫁いだ母。現金のない恐怖は、娘を富豪と婚姻させる算段へと変質する。子供向けの童話じゃないグロテスクな展開に身震い。やっとラストに救われたが。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆エグみ重視のボディホラーによるルッキズム風刺という点で『サブスタンス』に近い設計。着想自体は証文の出し遅れ感が否めないが、グリム童話などの『シンデレラ』に沿った原型的な物語を直接グロテスクに改造した強さはある。
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洞口依子(女優)
★★★★☆“末長く幸せになりました”と加工されまくったグリムの世界を叩き削り、美学や美の基準の戦いの怖さを突きつける血みどろの悪夢の仕上がり。社会が押し付け刷り込ませた美意識の茶番を考えさせられた。定点観測したい女性監督。
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今月のゲスト
岡本真帆(歌人)★★★☆☆そもそも王子様に選ばれることは、エルヴィラに幸福をもたらすのだろうか? 本当の欲望を知らないまま、与えられた夢に盲目になる危うさが描かれている。面白かった! しかし目を覆うような過激なシーンに、どっと疲れました……
おかもとまほ/1989年生まれ、高知県出身。東京と高知の二拠点生活を送りながら、歌人、作家として活躍中。著書に、歌集『水上バス浅草行き』『あかるい花束』、エッセイ集『落雷と祝福』などがある
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- 私にはハマりませんでした。★★☆☆☆
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© Mer Film / Lava Films / Zentropa Sweden / MOTOR / Film i Väst / Mediefondet Zefyr / EC1 Łódź 2025 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
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『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』
監督・脚本:エミリア・ブリックフェルト
2025年/ノルウェー、デンマーク、ポーランド、スウェーデン/原題:Den stygge stesøsteren/109分
1月16日(金)~
新宿ピカデリーほか全国公開
https://uglysister.jp/




