防犯カメラの映像が公開された日から食事を取らなくなり…
そんな倉光は事件のちょうど1週間前、宮台氏の研究室を“下見”していた。
「11月22日昼2時頃、キャンパスに侵入し、宮台氏の研究室がある階を行き来していたのです。一旦近くのコンビニなどに立ち寄った後、夕方6時半頃に再び研究室の階に戻った。この日、宮台氏は週1の講義で大学へ足を運んでいました。スケジュールはHP上に記載されており、予め把握していたと見られます」(同前)
そして11月29日、犯行に及んだ倉光。防犯カメラの映像が公開されたのは、12月12日のことだった。
「両親によれば、倉光はその日から食事を取らなくなり、別宅の荷物を処分するなど身辺整理を始めたといいます。その後、12月17日に別宅で自殺しているのが発見された。両親は1月27日に公開された防犯カメラの映像で息子と確信したようですが、犯人ではないと思いたい気持ちがあり、通報はしなかったそうです」(捜査関係者)
倉光はなぜ宮台氏を狙ったのか。
「自宅と別宅から斧やナイフなど凶器が発見されたのに加え、父親が購入した宮台氏の共著『おどろきの中国』(講談社現代新書)が見つかった。覇権国家・中国の社会体制を分析した一冊で、自宅のリビングに置かれていました」(同前)
押収したハードディスクなど残された物証から、動機の解明が進められる。