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ーー渡辺さんのようにテレビに出ている方の場合、どうしても「お金があるから、そこまでできるんじゃないか」といった反応がありそうですね。

渡辺 そうですね。私がエゴサーチしない分、周りが「必ずそういった声があります」と心配してくれたことはありました。 

 もともと親の介護についても、発信したいわけではなくて。聞かれて隠すことじゃないという気持ちと、何といっても親世代は体が利かなくなっても、どこかで社会のお役に立てればという思いを持っているんですよね。自分より若いヘルパーさんに対しても、「あなたの時間を割いてしまって、ごめんなさいね。ほんとうにありがとう」と。 

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 だから、聞かれた時は、ひとつのサンプルとしてお話しすることで、少しでも介護職の方々のプラスになったり、どこかでどなたかのご参考になったりしたら、介護という受け身の季節に入った親も嬉しいのじゃないかな、と思ってお話してきました。 

 ただ、どんなことでも発信したら、ネガティブな反応はあって当然なので。さっきの光と影は表裏一体という話じゃないですけど。私自身、何をやってもダメな時とか、疲れ果ててマイナス思考になっちゃう時は、愚痴ってボヤいて、誰かれかまわず、妬みそうになったりしますものね。そんな負の感情を表に出すか、ましてやぶつけるかは、まったく別の話ですけれど。 

 感情自体は生理現象という面もあるから、自分の中では不必要に抑えつけようとしなくていいんじゃないかと思ってます。 

ーーいいのですか?

渡辺 いやいや、別に私への批判を受けて立つとか、そういう意味じゃ全くなくて。そうとうへなちょこなので、そ〜っと避けて通りたいタイプです。 

 

 でも、テレビやネットってガス抜きの作用を持つメディアでもあるだけに、批判ゼロなんてまずないですよね。私の場合、働いて頂戴する報酬をどこに費やしたいかといったら、人生のこの時期は親を看ることだった、シンプルにそれだけだから、なにか言われたとしても、あまり落ち込むことはなかったです。 

結婚をあきらめた後に、出会った夫

ーー渡辺さんは、2008年にフジテレビのプロデューサーである高井一郎さんと結婚されました。でも、結婚はあきらめていたそうですが。

渡辺 誰から聞いたんですか(笑)。あきらめかけてはいましたけど。

 両親が仲がよかったから、いつか自分もこういう巣作りをしたいな、こぢんまりした家庭を築きたいなと。漠然とですけれど、それが夢だったんですよね、今思えば。一概に結婚する方がいいとは今でも思わないけれど、うちの場合、意識下に両親の影響はここにもあった気がします。 

 でも、バブル期にテレビ局に採っていただいて、アナウンサーの仕事をしているうちに「あれ? ぜんぜん、結婚する機会ないな。というより、遠のいていくな」と。 

 40歳くらいだったか、母にも「結婚はしないかも」と話した記憶があります。そしたら、41歳で高井と出会ったので、不思議なものだなと思いました。