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ケアマネージャーが8人くらい代わった

ーー2000年の介護保険制度のスタートと同時にお父様を看ることになりましたが、制度が動き出したばかりゆえにサービスにあたる側も受ける側も勝手がわからないところがあったのではないかと。 

渡辺 制度としてはゼロからのスタートなので、どちらも手探りの状態でした。

 ケアマネージャーさんを中心に父に合ったプランを組み立てるためのミーティングを繰り返して、毎日どのくらいの時間でヘルパーさんに入っていただけばいいのか、泊まりも必要になる場合はあるのか、訪問看護師さんは週に何回お願いするのが最適かなど、一つ一つ決めていきました。 

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ーー体制を整えるだけでも一苦労だったのですね。

渡辺 どの仕事、どの業界でもそうですけれど、介護職の方にもご自身の生活はもちろんあって、出産や転職など人生の転機は訪れますよね。 

 とても良くしていただいたケアマネさんも、これまでに8人くらい代わりました。ご自身の家族を看ないといけなくなって、介護職を離れる方もいらっしゃいました。ヘルパーさん、ケアマネージャーさん、私たち利用者も、それぞれが自身の家族を看ながら、なんとか介護の現場を作っていく感じでした。 

 まだ小学生のお子さんがいるシングルマザーのヘルパーさんには、大晦日はシフトチェンジして家で過ごせるようにとか、お子さんが合宿でひとりご飯の時はうちで賄いをつくって食べていってもらったり。はたから見たらいろんなところがほつれていたかもしれないけど、そこを補い合い、助け合ってやっていく感覚でした。 

ーーお父様の療養にあたって、家の改装などはされたのでしょうか。

渡辺 車椅子で動けるようにバリアフリーにしたり、母のための手すりをつけたり、大きなものだと、1階から2階にあがるホームエレベーターを取りつけました。もともと祖父が建てて、父が受け継いだ家なので、娘夫婦の暮らす2階からの景色も見せてあげたくて。

 父がエレベーターを使ったのは数回でしたけれど、そのあと母が車椅子で生活するようになってからはずい分、活躍してくれました。