「前日、テレビのサッカーの試合を録画しているのを見ようと思ったら、設定がわからないので、息子に頼んだんです。そのときの会話が最後でした。たまたま後ろから見ている姿の写真を撮ったのを覚えています。
検死後、医師の説明では、死亡推定時刻は5日午前1時から2時の間ということです。時計を見ていないのでわからないですが、夜中に物音がしていたのを覚えています。だいたいその時間だったのではないでしょうか。その音を聞いた私は『何かしているんだろう』と思ったのですが、寝てしまいました」
スマホ等で学校でのトラブルが判明
自殺する理由については「少なくとも家の中で思い当たることはなかったんです」という。
では、学校で何かがあったのか。
野村さんは東京高専の3年生だった。2年生から学生会の会長を務め、3年生で会長に再任された。遺されたスマホを見ると、学校でのトラブルがあったことがわかった。また、他の学生会の役員とのLINEの内容を読んで、父親は「何かおかしい」と思ったという。
「机の上にあった遺書にはその日付として手書きで『4日もしかしたら5日』とあるので、前日から書いていたようです。スマホも開けました。メモ帳のアプリも開ける状態だったんですが、一つのファイルだけロックがかかっていました。予想できるパスワードだったため、開くことができました。パソコンのパスワードも同様でした。
LINEを読むと、学生会の会計監査の1時間くらい前に他の役員とやりとりしていたことがわかりました。命を断つという言葉がそのやりとりの中にあり、もう一人、亡くなるかもしれないと思いました。そのため、すぐにその子の親に連絡しました。『深刻な状態だと思って連絡を取らせていただいた』と」
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遺書では悩みのことが触れられ、〈(学生会の)会長の任期を全うできず関係各所の皆様には大変申し訳ありません。ほんとうだったら任期満了して引き継ぎもしっかりしたかった〉などと書かれていた。また家族やアルバイト先の人への別れの言葉が綴られていた。