今野敏デビュー40周年で出版界初の“小説誌ジャック”

　警察小説のパイオニア・今野敏さんがデビュー40周年。大人気シリーズの最新作『棲月　隠蔽捜査7』で著作数は194作に達した。

「40周年といっても作家の個人的な話でして、非常に心苦しいのですが（苦笑）。最初は海外の翻訳小説に憧れて警察小説を書き始めたものの、思いの外ぴったりはまって。その理由を考えたところ、武力を持った公務員である警察は、現代のお侍さんだと気づいた。僕はきっと、侍の佇まいが好きなのでしょう」

　デビュー月の5月には、出版界初の大型横断企画“小説誌ジャック”が控えており、出版社14社が合同して様々な角度から今野さんの魅力に迫るという。その他にも都内書店での1日店長、ツイッターで作品の感想を募る「今野敏大賞」等、多彩な企画やイベントが目白押しだ。

「40周年企画は、各出版社の若手担当編集者からの提案でスタートしました。出版不況が叫ばれていますが、中にいる人が楽しんでいない業界に、お客さんは付いて来てくれない。僭越ながら、私をダシにして出版界を盛り上げてほしいですね（笑）」