ユーザーが作った独自ルール「〇〇様専用」
――独自ルール?
宇田川 たとえば、専用ページって見たことありますか。「〇〇様専用」って書かれた商品がたまに出品されてますよね。あれはユーザーが作ったルールなんですよ。
――見たことあります。あれって公式ルールじゃなかったんですね。
宇田川 そうなんです。たとえば、値下げ交渉がきてOKしたとしますよね。出品者が値下げした金額で出品ページを更新しても、別の人に横から購入されてしまうかもしれません。だから専用ページを作って、交渉してきた人の名前を「〇〇様専用」とタイトルに付けておくんです。本人にちゃんと買ってもらえるように。
ただ、それはユーザーが使っているうちに作り出したルールなので、メルカリが推奨しているわけじゃないんです。だからタイトルに「〇〇様専用」と入れても、システム上は誰でも購入できてしまうんですよね。
わからない人だったら、よく考えずにパッと購入してしまう可能性もありますよね。そうすると、専用ページで購入するはずだった人は「横取りされた」と思うかもしれません。
――トラブルの元になってしまいそうですね。気をつけないと。
宇田川 私も以前、専用ページで出品していたのに他の人に購入されてしまったことがあります。そういう場合、こちらから取引をキャンセルすることも一応できるので、対応は可能です。
でも、最近は専用ページを作らないようにしてますね。せっかく作ったのに、相手が結局購入してくれなかったりすると、売るタイミングを逃してしまうので。専用ページって購入者に安心感を与えるので、即決しなくていいような気分になっちゃうんでしょうね。他に良いものが出たらそっちを買っちゃったりとか。
あとは、コンビニ払いを選択して購入した人がなかなか支払いしてくれないと、ちょっと常識外れだなと思っちゃいます。もう梱包してあとは発送だけなのに……。それでキャンセルされると、売り時を逃してしまうんですよ。たとえば、ハロウィン関連の商品はハロウィンの前が一番よく売れるのに、時期を過ぎてしまう。そういうのはちょっとモヤモヤしますね。
――宇田川さんはルールを守らないユーザーに対してどう思っていますか。例えば、人気ゲーム機の転売が問題になっていたりしますが……。
宇田川 誰かが不正すると、メルカリの規約がどんどん厳しくなっていってしまうんですよね。真剣に利用しているこちらとしては、とても腹立たしいです。