客に16歳の長女を100万円で身売り
長女が中学を卒業した頃、小林被告は児童養護施設から自宅に連れてきて、最初は普通に接していたものの、やがてパチンコで負けた憂さ晴らしのために殴ったり、蹴ったりするようになった。わずか16歳の長女に「生活費を入れろ。タダ飯ちゃうぞ」と怒鳴り、援助交際をさせたという。
小林被告は自分の借金をチャラにするため、その最初の客に長女を100万円で身売りした。入籍させて、好きなときにセックスさせるという関係を容認したのだ。
長女は相変わらず小林被告の家で生活を続け、「今まで育ててやったんやから金払え」「出ていくなら500万円払え」などと迫られた。食事は腐った味噌汁をかけた冷や飯が1杯だけ。長女は耐えられなくなり、逃げ出して飲食店で住み込みで働いた。
長女は最初の夫とは離婚して、別の男性と再婚した。その男性との間に男児をもうけた。だが、その男性とも離婚すると、噂を聞きつけた小林被告たちが迎えにきた。XとXの父、それにガリガリに痩せ細った男性Aも一緒だった。
計10人での不思議な同居生活
Aは顔にマジックで落書きされ、男性器を結束バンドで縛られていた。長女が知る限り、それが虐待されていた最初の男性だった。Aは暴行と食事制限で虐待されていたが、最終的には親が迎えにきたという。
それから2年後、小林被告は長女名義でアパートを借りた。そこに児童養護施設を退所した次男や次女、血縁関係のない3人の男たちが住み着くようになり、計10人での不思議な同居生活が始まった。
やがて次の虐待のターゲットは仕事を辞めた男性Bに絞られるようになった。小林被告は同居人たちにBとタイマンを張るように命じ、その様子を笑いながら見ていた。Bをはじめ、誰も逃げ出さなかったのは、小林被告が「私の父親はヤクザや。知り合いにもヤクザが大勢いて、すぐに飛んでくる。逃げたらヤクザを使って追い詰めるぞ!」と口癖のように脅していたからだ。