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2児の母、消防団員に…「現役の頃はずっと辞めたいと思ってた」人気絶頂で引退、“孤高の女芸人”アンラッキー後藤(45)の“現在”

アンラッキー後藤さんインタビュー #1

2023/02/26

genre : エンタメ, 芸能

note

何が何だか分からなかった

——自分のことなのに、自分じゃないような。

後藤 何が何だか分からなかったですね。

——「こういう芸人になりたい」とか「こういうテレビ番組好きだった」などは?

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後藤 ないですね……。でも、ハガキ職人ではあったんです。もともと伊集院(光)さんの番組のリスナーだったので。なので、書くことは好きだった。面白いことを考えるのは好きだったけど、自分が前に出るのはまた別なので、毎回緊張してました。

——小さい頃から周りの人を観察しながら面白いものを探しているタイプだったんですか?

後藤 母が言うには、いつも頭の中がクルクル回ってる子どもだったって。目を閉じたらこっちの世界があるって言ってて、この子はちょっとおかしいんじゃないかと心配だったみたいです。だから、脳波を常に取られてましたね。小5ぐらいまで。

——それは空想するのが好きだったということですか? 

後藤 だと思います。寝る行為がもったいないと思ってた。目を閉じた時から始まるこっちのストーリーが楽しくて、そこで面白いことばっかり考えてました。ラジオを初めて聴いた時に、作られた面白いことがあるって分かって、私も作ってみよう、みたいな。それでいろいろネタを考えていきました。

 

——お笑いが好きというよりは、頭に浮かんだ想像の世界を言葉で表現することが好きだった。

後藤 そうですね。書くことも好きだったのかもしれない。あり得ないことを。

高校生にして、タクシー通学

——高校生の時はどういうスケジュールだったんですか?

後藤 ライブは基本夜で、収録は、私がスタジオに入るのは大体14時半とか。間に合わないので、学校に車をつけてもらっていて、終わったと同時に飛び出してました。たまにホームルームが長引いちゃう時は、窓から抜け出してましたね。「後藤は?」「トイレです」みたいな感じでクラスメートにかばってもらって、途中で抜けたことは多々ありました。

 それで22時にテレビ局を出て、お家に帰ったら22時半とか23時くらい。高校生でそこから勉強は結構きつかったです。

——きついですね。

後藤 で、朝は母には普通に「行ってきます」って言いながら、歩いて駅までは行くけれど、駅前で手を挙げてタクシーを拾う(笑)。

——タクシー通学!