昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

特集女芸人の今

レギュラー13本を捨てて結婚、夫は「俺の年収を超えるな」と…上沼恵美子(67)が語る、理不尽すぎた“結婚生活”

上沼恵美子さんインタビュー #1

2022/04/15

 今、女性芸人の世界が揺れている。女性芸人といえば、当たり前のように「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられ、そこで強烈なインパクトを残すことが成功への足がかりとされてきた。

 しかし、持って生まれた容姿や未婚か既婚かどうかの社会属性などを「笑う」ことに対して、今世間は「NO」という意思表示をし始めている。「個人としての感覚」と「テレビが求めるもの」、そして「社会の流れ」。三つの評価軸の中に揉まれながら、女性芸人たちは新たな「面白さ」を探し始めている。

 この「女芸人の今」連載で、たくさんの女性芸人にインタビューをしてきた。芸風や年代に関わらず、女性芸人が女性芸人を語る時、必ず出てくる「上沼恵美子」という名。

 かつての女天才漫才師は、レギュラー13本をあっさり捨てて関西テレビ社員だった夫と結婚、そして出産。なにわのヤング主婦としてタレント業を始め、いつしか「西の女帝」と呼ばれるようになった上沼恵美子。「ネット嫌い」から一転、現在YouTube『上沼恵美子ちゃんねる』を開設し、瞬く間に人気チャンネルとなっている。

 以前インタビューで「私は自分で苦労を買って出たのかもしれません。自分だけの面白い『人生ゲーム』を作るために」と述懐していた上沼。彼女だけの「人生ゲーム」とは何なのか。上沼家のリビングでその半生を振り返る。(全3回中の1回/2回目を読む)

上沼恵美子さん

◆ ◆ ◆

上沼 べべちゃんほら、こっちに来なさい。

――フレンチブルですか、かわいいですね~。

上沼 前までトイプードルもいてたんですけど、2年前に亡くなりまして。その子と2匹一緒に毎週シャンプーに行かせてたんですけどね。

 トイプードルってきれいになって帰ってくるんです。ブローしたのがわかるんです、ふわーっと。でもこの子わからへん。短毛やから。だから聞くんですけどね。「ほんまにシャンプーしてもらった?」って。しゃべらへん。

――(笑)。

上沼 100年前にね、どなたかが「100年後はどうなってる?」っていう予言をしてたらしいんです。100項目ぐらい挙げて、ほとんどが当たってたそうなんですよ。その中で1つだけはずれてたのが「犬がしゃべってるであろう」。

――しゃべらないのは残念ですか。

上沼 犬はしゃべったらダメだと私は思うんです。犬がしゃべったら飼う人減ると思います。結構嫌なこと言ってると思うんですよ。なにも言わないで、目だけで表現してるから愛されるんですよね。

 週に1回シャンプー行って。いいもん食べて。ワーン言われて一生終えるんですよね。私ほんと、次は犬で生まれたいんですよ。しゃべらなくていいし。

――しゃべらない方がいいですか、来世は。

上沼 もう今世はしゃべりすぎました。

ほしいと思うものは、手に入れてきた

――今世に「やり残した」と思うことはないですか?

上沼 私ね、ほんともう物欲ゼロなんですよ。こんなこと言うのあれですけど、ほとんど自分の物欲は手に入れてきましたので。

――かっこいいです。

上沼 そんな言うてる人嫌でしょ、ほんとにね。言いながら嫌でした、今(笑)。私、スーパーで値段見ながらカゴに入れたことないんですね。これ言うたら、やっぱり主婦の方々には反感をくらいましたけど。若い時からそうできたのは、やっぱり働いてたからだと思うんです。働いて自分のお金があったから。

 

――結婚当初の、専業主婦時代はどうでしたか。

上沼 結婚して主人からもらっていたのは10万円ぐらい。10万円でおばあちゃんと子供ふたりと私で暮していけませんよ。これあかんなと思って、それからは全部私の収入で賄ってました。

 主人は人生のいいパートナーだと思ってますんで、養ってもらうとか、そんな意識は全くないですね。特にこの世界ではタレントさん、歌手の方、みなさんおっしゃいますね。自分で生きてるって言いはります。そういう気持ちがないと、まず活躍できない世界なんでしょう。

 長く続いた地上波の番組がバンとなくなりました。でも私としては、負けん気でもなんでもなくて、もうネットの時代にきたなと思ってるんですよ。

z