「アイドルと話したかった」他人のカードで116枚のCDを買った21歳女性派遣社員がはまった「1回5秒」の沼

　好きで好きで仕方ないアイドルと1対1で話ができるとしたら、世の若者はいったいいくらを払うだろう。

　その人気男性コーラスグループと「5秒」話すためには1回1000円が必要だった。まだ20歳の彼女はその権利を116回分買った。頭の片隅では分かっていたはずだ。こっそり控えた、他人のクレジットカードの情報を使うことが犯罪になると。

　兵庫県警サイバー犯罪対策課と神戸水上警察署は2月10日、窃盗と私電磁的記録不正作出・同供用容疑で派遣会社の会社員、高橋乃絵瑠（のえる）容疑者を逮捕した。逮捕時21歳の女性だった。いったい何をしたのか、地元社会部記者が解説する。

客のクレジットカード不正利用し、同じCDを大量購入

「高橋容疑者は20歳だった昨年、他人のクレジットカードの情報を勝手に使い、ネットショップでCDを116枚購入していました。男性6人組のコーラスグループ『DEEP　SQUAD』が昨年4月13日に発売した1枚1000円のシングルで、総額は12万円に上りました。刑法的には私電磁的記録にあたる他人のカード情報を不正に使い、CDを盗んだという罪に当たります。同じCDを大量に買ったのは、セットになっていたある特典が目当てだったからです」

　逮捕容疑は昨年3月31日から4月10日、計11回にわたってオンラインショップで同じCDを注文したというものだった。クレジットカード決済で支払ったが、使ったカード情報は2人分。どちらも高橋容疑者自身のカードではなく、派遣の販売員として勤めていた神戸・三宮の携帯電話ショップに来た女性客のものを無断で使っていたという。