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ガソリンスタンドの“男女共用”シャワーで…

――荷物を運んだり、力仕事で汗をかくことも多いですよね。

門馬 ええ。ただ、あまり一般の人には知られていないんですけど、シャワーを浴びられるガソリンスタンドが昔から結構あるんですよ。給油するとサービスで使わせてもらえるんです。だけど、男女同じシャワーなので、ある時なんてドアノブをガチャガチャッとやられて「えーっ! ちょっと待って待って。入っています!」なんてことも。狭くて汚れていたり、すりガラスっぽいドアもあったり。今は高速にもコインシャワーやお風呂ができたから、ずいぶん違いますけど。こちらは有料ですけどね。

――当然、女性も安心して使えるほうがいいですよね。

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門馬 そうなんですよ。新潟便の時は日帰りだったので、トイレの苦労だけだったんですけど、次の会社は長距離だったので、当時は安心して使えるシャワー探しには苦労しました。

――次の会社といいますと。

門馬 紹介じゃないと入れない憧れの会社が前橋にあって、1年後に転職したんです。もう、そこのトラックがとにかくかっこいいんです。デコトラのように派手派手じゃないんですけど、バンパーも凝ったステンレスだったりとか、とにかくメッキがいっぱいついていてキラキラしてて。

――洋風というか、高級感があるような感じの?

門馬 そうです。それで前橋に引っ越して、本格的に長距離ドライバー生活が始まったんです。今度は名古屋とか大阪、広島、時には九州まで。日帰りと違って、どこで寝てどこで顔を洗おうかって。昔は「高速は使わず、下道を走って高速代を節約しろ」という時代でした。だから広島に行く時もずっと下道ですね。

 

 当時は休憩なしのノンストップで走ってもオッケーでした。今は4時間おきに30分、休憩する決まりがありますけどね。たとえば広島に向かうときは、兵庫県の龍野に大きなスタンドがあって、そこまで着いたらすぐ洗車。シャワーを浴びて夜まで寝ます。また夜に走り始めて広島に深夜か早朝に到着。九州へ向かう時は仮眠をとってまた夜に走っていましたね。

「あいつらできてる」男性ドライバーと噂に

――仮眠というと、どこで寝ていたんですか?

門馬 寝るのは自分のトラックで。運転席のシートの後ろに横になれるスペースがあるので、そこで座布団敷いて寝るんです。

――トラックの中にひとりで? 

門馬 だって、トラックの中って自分の部屋ですよ(笑)。眠いからすぐ寝られます。積み込み待ちとかそういう時間がある時に、どこで寝るかっていうのを常に考えて走っているので。

 

――怖いことはなかったのでしょうか。

門馬 それが1回もなかったんですよ。「鍵、なんで閉めて寝ないの?」って言われたことがあったけど、「普通、閉めて寝るの?」みたいな。

 まあ、今じゃしませんけど、私、爆睡しちゃうとアラーム音でも起きられないんですよ(笑)。トラックだと休憩場所が同僚たちと同じ場所になりやすいんですが、同僚に「そっちが起きたら、起こしてよ」ってお互い頼むこともあるんです。それで、ドアを「ドンドンドン」ってやっても起きないと、ドアを開けて「お~い、起きろよ!」って肩をゆすってくれる。

――そのために鍵を開けていたと。それにしても、何か被害に遭うようなことがなくて本当によかったです。

門馬 ただ、男性ドライバーが私のトラックから降りてきたところを見たら、「あいつらできてる」って噂になる。そういう決定的な場面じゃなくても、ただ一緒に走ってるだけで「仲がいい。怪しい。できてる」って。