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遠野 本当かどうかはわかりませんが、その時は「過呼吸になった」と言ってました。そのあと、母の3人目の旦那が電話口に出てきて「いい加減にしろ、二度とかけてくるな」「●●(母の名前)を苦しめるな」と。やっぱり傷付きましたよ、なんであなたに言われなきゃいけないのって。

 でも、受け入れるしかないし、母と娘の関係に他人が入って来たらもうどうしようもないですね。

母との絶縁後、家の壁から「死ね」と幻聴が聞こえるように…

――絶縁されてから、遠野さんはどういったご心境でしたか。

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遠野 普通の精神状態ではありませんでしたね。家の中にいても、壁の中から「死ね、死ね、死ね」と幻聴が聞こえてくるんです。怖くなって、通っていた心療内科の先生に「今から行きます」と電話して。その繰り返しです。薬もいっぱい飲んでいて。異性関係も、性的逸脱のような状態になってしまいました。

 

――お母様から解放されるために絶縁したのに、それによって精神的に不安定な状態になってしまったと。

遠野 もうボロボロで、めちゃくちゃになりたかったんだと思います。自傷行為も酷かったですし。その時期、今だから言えるのですが、ロケの前日に自殺未遂をしてしまったりもして。家で首を吊ったんですけど、滑って落ちちゃったみたいで、顔まわりが真っ青になっていて……。一応仕事には行ったんですけど、そのロケがまさかの健康診断の企画で。

 メイクでなんとかアザを隠して、うまく編集してもらったので無事にオンエアされました。でも、ロケのことをちゃんと覚えていないんですよね。スタッフさんが後日教えてくれましたが、そのロケ中に私は「自殺」という言葉を8回も使ったらしくて。

――そこまでボロボロの状況で、どうして仕事を続けられたんでしょう。

遠野 とにかく仕事をしていないとダメだったんだと思います。「仕事がなくなったらどうしよう」「生活ができなくなったらどうしよう」という不安感って本当に恐ろしくて。多少無理をしてでも、仕事があればそういう不安に悩まされることはないから。

撮影=三宅史郎/文藝春秋

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