母親の死後1週間くらいは、ただ泣き喚いていた
――お母様が亡くなった直後は、どのような心境でいらっしゃいましたか。
遠野 1週間くらいはすごく精神が不安定になってしまって。あまり記憶がないんです。仕事もできる状態ではありませんでしたし、ただ泣き喚いていました。
でもそれは悲しい、という感情からではなくて。どちらかというと、悔し涙でしたね。あとは「ようやく解放されるんだ」という気持ちで。
――そのあとは、どんな心境の変化がありましたか。
遠野 悪夢を見なくなりましたし、摂食障害の症状も出なくなって。薬を飲まなくても平気になったし、アルコールに頼らなくても良いようになったんです。
ただ、やはりどうしても意識しているからなのか、しばらくは「あ、いるなぁ」という感じで母が近くにいるような気がするというか、気配を感じたりはしたんですけど。
主治医の先生にも「呪いが解けたんですねぇ」と言われるくらい、心身の状態は変化しましたね。
治まっていた悪夢や摂食障害の症状が戻ってしまった理由
――お母様が亡くなってから半年以上が経ちますが、今も体調や状態はお変わりなく?
遠野 いえ。それが、たまたま弟と直接連絡を取ってしまって。弟のことは大切に思っているし、愛しているんです。ただ、家族と連絡を取るとどうしても母のことや、昔のことを思い出して激しい揺り戻しがあるので、連絡を絶たなければいけない状況にあったんです。
母が死んでもそれはすぐに変わらないらしく、治まっていた悪夢や摂食障害の症状が戻ってしまって。寝るときはお酒に頼ることもあります。
――ちなみに、葬儀には参列されましたか?
遠野 いいえ。自分が壊れてしまうのがわかっていたので、参列しませんでした。母の自死によって自分の中で区切りが付いたというか、もうなかったことにしようと私の心の中で決めて。友達には「後悔するから絶対に行ったほうがいい」と言われましたけど、やっぱり難しかったです。
――ごきょうだいからは、特に何も言われませんでしたか。
遠野 はい。向こうも私と母の関係性を知っているので、特に誘いもありませんでしたね。
――複雑なご心境でかなり苦しまれたとは思いますが。