Q 韓国の政治家、また捕まってしまうの?
韓国検察が、国会で多数派の最大野党である「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の逮捕状請求に踏み切ったことがニュースになっていました。
韓国の大統領は退任後にしばしば逮捕されるケースが続いていただけに、今回もまた逮捕劇が起きようとしているのでしょうか。どのような罪で逮捕されようとしているのか教えてください。(40代・女性・無職)
A 二大政党制には副作用があります
大統領を直接選挙で選ぶ二大政党制の国は、政党間の対立が激化しがちです。アメリカの民主党対共和党の対立が代表的ですが、韓国も同様です。政権を獲得した政党は、次の選挙で野党に政権を奪われてしまわないように、徹底的に叩いておこうと考えます。検察は、いわば政権の意を汲む形で野党の犯罪容疑の捜査を始めるのです。
今回、李在明代表は、京畿道城南市長時代の不動産開発を巡って一部の企業に便宜を図り、市の都市開発公社に4895億ウォン(約510億円)の損失を与えた背任など複数の犯罪容疑があります。
ただし、「逮捕状請求」のニュースがあったのに、まだ逮捕されていないのは、李代表が現職の国会議員だからです。国会議員は、国会の会期中には国会の同意がなければ逮捕されない仕組みになっているからです。これは日本の国会議員と同じです。
いまの韓国の国会は、李代表率いる政党「共に民主党」が多数を占めているので、国会で逮捕が認められる可能性が低いのです。
二大政党制は、「時の政権が失政したときは、いつでも政権を取って代わる政党がある」とよく言われますが、政党間の対立が激化する副作用を伴いがちなのです。