──四十しざかり、って言うくらいだもんね。
2年半していないけれど、以前しているときでも、夫は彼女のアソコを唾で濡らし、入れて3分で終わったそうです。しかもベッドの上ではなく、ほとんどがリビングで立ちバックとか床の上とか……。
夫には他に女性がいるようです。舞も結婚後に3人と浮気しています。相手は同級生とか昔の知り合いのようですが、まだ夫婦の間にセックスがあった時期にはのめり込んでいません。「自分を危うい立場に追い込みたくなかったから」と言います。
「私を女と思ってないというか……」
──よく離婚の原因が性格の不一致とかって言うけど、でも、あなたの場合はダンナさんが暴力をふるうとか、酒乱だとか、稼ぎがないとか、そういうことじゃないよね。
「ほんとに愛していたら自分も協力して……もし稼ぎがなかったら私もパートに出たりとか、酒乱だったら一緒に病院に行って治療するとか、なんかそういう手立てはあるじゃないですか。暴力とかは時と場合によると思うんですけど。だけど、自分に対して興味がないっていう、そのどうしようもなさっていうか、『私は何なのですか?』っていう寂しさ。かつて愛した人が目の前にいて、一緒に生活してるのに、私を女と思ってないというか……」
それから舞は、催眠誘導のCDを聴いて号泣したときのことを語りはじめました。
「あそこで思い浮かべたのが、主人なんですよね。そしたら若いときの感情とか、すごく愛して、この人じゃないとダメだって思ったときの感情がいっぺんに出てきたんですよ。それで今、私は裏切ろうとしているわけじゃないですか。一瞬、後悔したんですね。私はこんなことしちゃいけないんじゃないかって。すごく好きな人は主人だから……。帰ったら主人に抱かれたいって気持ちがすごく湧いてきたんですよ。でも、やっぱりそのあとも抱かれることはなかったし、嫌いで別れるというより、私が主人にぶつかる勇気がないんですね。主人に女性の影があるっていうのもわかってるし、そんな感情のなかで、そういうのを責めることもできなければ、私だけ見てって言う自信もない。だから私は私の道を行くっていう選択肢のほうへ行っちゃったわけで……」
舞の話を聞いて気になったのは、心のフタが開いて出てきた「主人」です。「若いときの感情とか、すごく愛して、この人じゃないとダメだって思ったときの感情がいっぺんに出てきたんですよ」と言っているので、この「主人」とは現在ではなく、若いときの夫なんでしょう。