フードデリバリーはスマホの操作ひとつで食事を届けてくれるので、多くの人が利用する便利なサービスだ。その一方、昨年秋に「低評価」をつけた注文者の家の玄関ドアにカレーをぶちまけたウーバーイーツ配達員が逮捕されるなど、トラブルも目立ち始めている。
実際、フードデリバリーをよく使う利用者たちに聞くと「最近の配達員にはいろいろとヤバい人が多い」と話す。いったいどのあたりがヤバいのだろうか。利用者たちが証言する“ヤバいフードデリバリー配達員”を紹介しよう。(取材・文=押尾ダン/清談社)
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配達中に「テメエふざけんな!」とクルマに逆ギレ
ご存じのように、フードデリバリーの配達員はバイクや自転車に乗って注文者の家に食事を届ける。デリバリーしている最中にこそ、配達員の姿がより多くの人の目に触れるわけだ。
そのためか、取材すると、デリバリー中の配達員のマナーへのクレームが多く寄せられた。営業車を運転して得意先を回る営業マンの二宮友樹さん(仮名、31歳)が証言する。
「つい先日、信号待ちしていたら僕の前にいたクルマがプップーとクラクションを鳴らしたんです。先頭にいたフードデリバリーの配達員のバイクが青になっているのに全然発進しようとしないので、『青に変わっているぞ』と教える意味で鳴らしたと思うんですが……。
すると、配達員がそのクルマの運転席のドアガラスを叩き、『テメエふざけんな! 降りてこい!』とキレ始めたんですよ。運転手がスマホで撮影しようとしたらバイクで逃げてしまったんですけど、あれを見てフードデリバリーの配達員ヤベえなと思いましたね」
こうしたトラブルは二宮さんが目撃したケースだけではない。東京板橋区に住む立花莉佳子さん(仮名、41歳)は、横断歩道をわたるために信号待ちしていたときにこんな配達員を見たという。
「平日の昼間なので、そこにいたのは子連れの主婦やお年寄りばかりでした。しばらくすると青になったので、歩行者がいっせいに横断歩道をわたり始めたんですね。そこへフードデリバリーの配達員の自転車が信号をガン無視して、すごい勢いで突っ込んできたんです。
しかも、小さい子どもを連れた主婦に『危ねえな!』と悪態をついたんですよ。いやいや、どう見ても危ないのは信号を無視したあなたのほうでしょ。こういう人が多いので、配達員には交通ルールの講習を義務づけたほうがいいと思いますね」
一方、東京都杉並区に住む柳川良二さん(仮名、44歳)は、違う意味でヤバいフードデリバリー配達員を見たことがあるという。
「家の近所の商店街を歩いていたら、青くピカピカ光る派手な電飾を施したデコチャリ(デコレーションを施した自転車)に乗った配達員がご機嫌な様子で走ってきたんです。ナビに使用しているスマホからは大音量でアニソンが流れていました。
虎のお面をかぶり、ラジカセから演歌を流して新聞を配達していた新宿の『タイガーマスクおじさん』を思い出しましたよ。あの大音量のアニソンを流したデコチャリで料理を届けられたら、注文した人も困るし、そもそも近所迷惑なんじゃないでしょうか」