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「雨漏りをすると、改修のために数日間さまざまな業者が部屋を出入りして、不自由な生活を強いられます。補償が出るので工事費用を払う必要はありませんが、自ら選んで最上階に住んでいる経緯から、法律上、漏水は、借主も少なからずリスクを負う責任がある。

 なので『雨漏りの工事中、部屋で生活ができなかったので損害賠償請求したい』と考えても、借主が請求したいと考える精神的な損害も含め、全ての賠償請求が認められるとは限らない、ということです」

 また、角部屋には外壁のクラックからの浸水リスクもあるという。

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 築年数の古い物件の最上階に住むには、上に住人がいない解放感と引き換えに、雨漏りの不安を抱えなければならないようだ。

軽視すると痛い目を見るのは…

 内見の際に“収納”に目がいかず、住んでから後悔する人が多い、と話すのは、不動産仲介業者の市場俊介さん(仮名)だ。

「4.5~6畳のワンルームや1Kなどの単身者向け物件は、何かの条件を満たすために収納を削るケースがあります。たとえば、マンションを建てるときに入居者からのニーズが高い “バス・トイレ別物件”にするため、クローゼットや収納スペースを削るケースは非常に多いです」

 バス・トイレを別にする場合、およそ1畳分(1.6平米)ほどのスペースが必要になる。その増えた分を賃料に反映すると5000~6000円前後プラスしなければならず、借り手がつきにくくなってしまう。そこでオーナーは現状の専有面積を維持して賃料を上げすぎないように “収納を削る”という。

「収納は部屋からなくなってはじめて、その大切さが身に染みる要素。よっぽど荷物が少なければなんとかなりますが、収納なしでの生活はなかなか難しいのが実情です。自分の予算と希望する条件との兼ね合いにはなりますが、安さのために収納を軽視しすぎるのは考えものです」

©AFLO

家具・家電は内見の際にサイズを把握していく

 内見時の印象の良さだけで部屋を決めるのも、リスクが高い、と市場さん。

「高級賃貸マンションは、内装にこだわりすぎて収納がゼロなんて物件も珍しくありません。また、キッチンが広く作られているマンションの場合、その分“冷蔵庫置場”が狭くなっている可能性もあります。手持ちの冷蔵庫のサイズを考慮せず、引っ越ししてから冷蔵庫のスペースに置けないと気づいたり、奥行きが足りず壁から冷蔵庫が飛び出したりして、使い勝手が悪くなります」