1995年にデビューし、『新しい波8』『はねるのトびら』でブレイクした北陽の虻川美穂子さん。「はねトび」レギュラー抜擢の経緯から、「どうかしてた」と語る当時の収録秘話、女芸人ゆえに求められた過度な“女性性”への違和感などを語ってもらった。(全2回の2回目/最初から読む)

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なんで『はねトび』のレギュラーになれたのかは正直分からない

――北陽のブレイクのきっかけといえば、2001年からはじまった『はねるのトびら』です。出演の経緯を教えて下さい。

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虻川美穂子さん(以降、虻川) ドランクドラゴンを見にお笑いライブに来ていたディレクターが、たまたま同じ舞台に立っていた私たちを見て「北陽いいんじゃない」と思ってくれたみたいで、『新しい波8』(『はねトび』の前身番組)のオーディションに呼んでくれたんです。その日のネタが奇跡的にウケて本当によかったです。

北陽の虻川美穂子さん

――新世代のお笑い芸人を生み出すコンセプトで始まった『新しい波8』は、MCに香取慎吾さんを据え、若手芸人が30分枠を使ってコントができるという画期的な番組でした。この『なみはち』に出演していた北陽、ドランクドラゴン、キングコング、ロバート、インパルスが『はねトび』のレギュラーになるわけですが、選抜オーディションがあったのでしょうか。

虻川 なんで『はねトび』のレギュラーになれたのか正直よくわからないのですが、『なみはち』でのコントを評価してもらえたんですかね。実際オーディションもなく、発表の仕方もドッキリというか、家に突然ハンディカムが届いて、「これで撮影しながらお台場のフジテレビに向かってください」みたいな指示が一緒に入ってて。

 

みんなで『めちゃイケ』の次を目指していた

――事務所からも一切何も聞いてなかったんですね。

虻川 はい、まったく。で、私と同じような感じで他の4組もよくわからないままフジテレビに集合してて、そこで「実はこれから新番組が始まります」と発表があったんです。

――お笑いの歴史を築いてきたフジテレビが手掛ける新たなコント番組のレギュラーに抜擢されたとわかった瞬間、どんな気持ちになりましたか?

虻川 嬉しくて飛び上がっちゃうとかでなく、ずっとユニットコントをやりたいと思ってたので、「これも人生の通過点だ」みたいな、かなり生意気な感じだったと思います。ほんと世間知らずでしたね。

――ドランクドラゴンやキングコング、ロバート、インパルスをライバル視したり?