たっちゃんが日本人を虜にする。
「タツジッ! タツジッ!」
東京ドームに響き渡る異例の“たっちゃんコール”。その中で背番号23の代表ユニフォームを着たラーズ・ヌートバー外野手が、日本の大会初勝利への先導役を果たした。
いきなりだった。
「1番・センター」で先発した1回の打席。その第1球を迷いなくスイングした。
「あの第1打席の初球というのは、私自身が持ち望んでいたものでした。結果的に運も味方してストライクゾーンの、自分がスイングしようとしていたところにきて、相手内野手の間にボール飛んでくれた」
こう振り返った打球は、二遊間を破りセンター前に抜けていくチーム初安打となった。そして無死満塁から村上宗隆内野手の押し出し四球で最初のホームも踏む。チームの初得点もまた、ヌートバーによって刻まれた。
ただ、活躍はそれだけではない。
序盤は塁を賑わせながら、なかなか追加点が奪えない重苦しい展開。そんな嫌なムードを断ち切るきっかけを作ったのもヌートバーの気迫のプレーだった。
栗山英樹監督も大絶賛「あれが流れを呼んだ」
「少しでも緩めたらセーフにならない。(全力疾走は)日本野球の原理原則。あれが流れを呼んだ」