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コスパが悪い食事はおいしく感じられない身体

――膨大な資産を得て、金銭感覚に変化はありましたか?

井村 新宿にあった信頼できる金券ショップにはいかなくなりましたね。でも携帯は楽天モバイルで月1千円を継続していますし、コスパが悪い投資には痛みを感じてしまいます。変化といえば、10億円を超えたところで、ようやくラーメンのトッピングで味玉やホウレン草が頼めるようになりました。以前なら、腹を膨らませるために大盛りにして、スープは味薄目にして塩分を控えながら、必ず全部飲み干してカロリーを摂取していました。卵なんて例えば1パック200円として、いくら調理しているとはいえ、1つで100円は……などと考えてしまって……。

 ラーメンだけではなくて、例えば唐揚げ定食でも「500円でこのクオリティなの!?」と思うとおいしいと感じられるのですが、同じ定食が1000円ならつい比較してしまい、楽しむことができなくなってしまいます。そういう身体になってしまっているんですよね。

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 コスパが最強なのは、卵、納豆、バナナですね。こんなに健康的でおいしくて安い食べ物はありません。納豆は贅沢に2パック、1回に食べます。日本国民は水戸に足を向けて寝れないと思いますよ(笑)。

井村さん ©文藝春秋/撮影・末永裕樹

20億円を超えてタクシーに乗れるようになった

――ちなみに20億円を超えた時に変化はありましたか?

井村 タクシーに乗れるようになりましたね。これまで1~2駅なら歩いてました。やっぱり普段家にこもっているので、運動はしないといけないじゃないですか。自分は二宮金次郎じゃないですけど、歩きながら決算書を読む。だから電車賃は浮くし、体調を良くして情報までとれるから、二重でコスパがいいんですよね。時間があれば2駅くらい、いまだに歩きますよ。

 車はスポットでタクシーを使ったり、カーシェアでいいと思っているので買いません。維持費も考えると、その方が自分はコスパがいいと思います。おまけに事故のリスクもあるし、掃除もしなければいけないし、運転している間は情報も取れないしで絶対に嫌。もちろん車持っている方がコスパが良い人はいるとは思いますが、自分にとってはコスパは最悪ですね。

――それぐらい資産があると車もそうですが、高級な家に住んだり、旅行で散財しようという思いにはならないのですか?