かつて「ザ・フライ」というトリオ名で人力舎に所属し、キングオブコントで準決勝に進出したこともある元お笑い芸人・井村俊哉さん(38)。芸人生活と並行しながら本格的に投資を始めたのは2011年で、当時の年収は3万円だったという。だが現在の運用益の累計額は50億円以上と、国内でもトップクラスの個人投資家へと変貌を遂げた。富を得てさぞや豪勢な生活を送っているかと思いきや、本人が「生まれつきのコスパ重視」と語る性格は、変わっていないようだ。今の暮らしぶりについて、井村さんに話を聞いた。(#1を読む)

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妻に「お前なんもしねえな」と言われても家事は全くやらない

――利益50億円を超えて、周りの友人やご家族からの目線に変化はありましたか?

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井村俊哉氏(以下、井村) 何も感じていないというのが正直なところです。まず自分は家にこもるのが好きなダメな人間なので、例えば地元の幼馴染とか、大学時代の友人とか、続いている交流関係がほとんどない。

 今は0~6歳までの子供が3人いるので、妻に言われるがままに実家に帰ることはありますが、母に「新聞に載ってたわよ」と言われても「ふーん」というぐらいの感じです。妻にもどう思っているのか、あまり聞いたことはないですね。

 自分はずっと家にいるのですが、全く家事はやらないし、自分のご飯も妻が用意してくれます。ただ、妻は癇癪持ちなので「お前なんもしねえな」と週3日くらいは言われています(笑)。

井村さん ©文藝春秋/撮影・末永裕樹

――家事は本当に何もしないのですか?

井村 はい、99%やりません。たまに子供が泣いて「これやって!」と妻に言われますが、自分は常に仕事をしているので10回に9回はできないんです。妻は子供を抱っこしながら料理したり幼稚園の準備や、歯磨きまで全部1人で必死にやってくれていて、自分の家庭への貢献度は1%ぐらい。

 そういう自覚があるので、「お前なんもしねえな」と言われても、仰る通りなので言い返すこともないですし、それが妻の発散になるのであれば甘んじて受け入れ、サンドバックになろうと……。そんな状態で、どんなに忙しくても子供の勉強の面倒まで見ているので、妻には本当にリスペクトしかないです。戦場の同志ですね。