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「朗希だけではなくて東北出身の選手たちも結構、ジャパンにいます。色んな想いがあると思いますけど、もし今日の試合を観ていただいて、少しでも楽しかったり、笑顔になれたら、元気になっていただけたら幸せです」

 佐々木本人が栗山監督からこの日の登板を告げられたのは、宮崎キャンプの中盤のことだったという。ただ投げるだけではない。それ以上の重みを背負ってマウンドに立つ。もちろんその意味は佐々木自身も十二分にわかっている。その一方でそれは佐々木にとってはずっと背負い続けてきた、いつものことなのである。

©️時事通信社

佐々木が送り続けてきたメッセージ

「栗山さんからもそういう話があったので、もちろん分かってはいたんですけど、とりあえずチームの勝ちだったり、自分のピッチングができるように思い、今日まで準備してきました」

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 だからあえて野球に集中してきた。そんな思いで佐々木は3・11を迎えたのである。

「僕が投げている姿で何かを感じてもらえたらと思います」

 この日の取材。何度も被災地や被災者へのメッセージを求められた最後に、佐々木が絞り出した言葉である。

 それはこのマウンドだけではない。ずっと佐々木が送り続けてきた被災地への被災者たちへのメッセージなのである。