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――学校をやめなかったからこそ、得たものはありましたか。

松村 先輩は怖かったけど、挨拶指導があったことには感謝しています。礼儀の免疫ができているので、芸能界に入ってから、よかったなと思うことの一つですね。挨拶はやって当たり前。されていやな感じはしませんから。

――「挨拶にスランプなし」と、よく口にされていますね。

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松村 仕事では、どうしても出来不出来があったり、不甲斐ない一面も出てくるもの。10割バッターなんていないんです。でも、挨拶に出来不出来はありません。

 ただし、「おはよう」「こんにちは」だけなら九官鳥でも言える。挨拶で重要なのは、それに続く一言なんですよね。天気でも最新のテレビ番組の話でも、なんでもいい。プラスアルファが大事かなと思います。

腐っていた時期もあったけど

――『電波少年』のほか、『探偵!ナイトスクープ』や『オールナイトニッポン』など、人気番組に多く出演。『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』レギュラーは、今年で30年になります。仕事を続ける上で、大事にしていることは? 

ときには腐ったことも… ©釜谷洋史/文藝春秋

松村 『電波少年』を卒業した時は、やっぱり腐りましたよ。だけど卒業して、やっと元々自分がやってきたこと(ものまね)に向き合えたのも事実です。そして今、僕は「生かされている」という意識が強いんです。『電波少年』でのサバイバルや、マラソンでの心肺停止があっても、命の継続ができていますので。

 日々仕事をするうえではしくじりも多いし、何歳になっても、失敗したらどうしようといった不安や緊張は消えません。小心者なんですよね。でも、今僕が生きていられるのは、さまざまな人たちの助けがあったから。周囲への感謝を忘れず、粛々と頑張ろうとは思っています。