皆さんが歯医者で治療を受ける上で一つのハードルとなるであろう歯科医院選び。サイトによって口コミが異なっていたり、予約時や問い合わせの際の電話対応に不安を覚えたり。かかる費用もわかりにくい業界ゆえに、初診時の心配は尽きないことだろう。

 今回は「口コミの真偽」「保険診療」「自由診療の是非」を中心に、行ってはいけない歯科医院の見分け方を、現役歯科医師ならではの視点からお話ししていこうと思う。(文=遠藤あると/清談社)

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大手の口コミサイトは信用できない

 医院名やその地域の歯科を検索すると、まずGoogleなど大手検索エンジンの口コミが目につくだろう。実際これを参考に来院された方も過去にいて、来院後もどなたかわかるアカウント名で嬉しいコメントを寄せてくださった方もいる。

 ただこの口コミ、実際に来院していない人でも自由に記載できるもので、同じ地域のライバル医院の評価を下げるよう指示された、自身が勤務している医院の高評価口コミや、院長の華々しい経歴等のコメントを書かされた、などという同期歯科医師の話も耳にしている。

 “歯の根元の着色を相談して心配ないと言われたが他の歯医者に行ったら虫歯だと言われた”と他を下げる一方で、“ここに通い出して歯医者が好きになりました”“院長は偏差値が高い○○大学出身です”と勤務先を褒める書き込みも実際に見せてもらったことがある。

 同じ時期に内容の薄い高評価の口コミが増えていたり、院長の経歴や偉大さをやたらと称賛するコメントは、中の人間が書いていたりサクラの口コミの可能性がある。そういった行為を推奨している医院は選ばない方がいいだろう。

 なので、実際に受診した人のみが書き込みできる、医療系に特化した口コミサイトを参考にするのがおすすめだ。ただし、サイトによっては低評価コメントを削除できるサイトもあるため、いくつかのサイトを見比べることが大事。具体的かつやや批判的なコメントが何件も載っているようであれば、その医院に行かない方が賢明だ。