お風呂は週に1回。掃除が面倒で入っていなかった
被告人「ないです」
弁護人「腐った味噌汁やお茶を出すということは?」
被告人「味噌汁自体がないです」
弁護人「他の人からもらうことは?」
被告人「Xやその交際相手からもらっていました。でも、嫉妬心というのか、あまり快くは思っていなかったです」
弁護人「人からもらうものを食べるなと言っていませんか?」
被告人「言っていません」
弁護人「8月以降に痩せていっている様子は?」
被告人「ありました」
弁護人「異変は?」
被告人「よく転んだり、つまずいたり、歩くペースが遅くなっていた。でも、携帯でゲームをしたり、やりたいことはやっていました」
弁護人「達也さんにヤクザの話を持ち出したことはありませんか?」
被告人「ありません」
弁護人「お風呂は入らせていましたか?」
被告人「週1回ほど。掃除してないから汚いし、めんどくさい。私も入っていませんでした」
被害者が訴えている内容すべてを「言ってない」と否定
さらに事件当日に関する質問に移る。小林被告は妙に冗舌に答えた。
弁護人「10月25日に救急搬送されたときのことを教えてください」
被告人「昼間にパチンコに行ったんですが、達也はフラフラして1人で歩けない状態だった。『ゼリーが食べたい』と言うので、コンビニでゼリーを買い、自宅に戻ってご飯を食べて、ゼリーも食べて、あとは普通に過ごしていた。
それでも頭がフラフラするというので、私は達也に留守番させて、ドラッグストアーに冷えピタと貧血の薬を買いに行きました。それを飲ませたら、達也が『ちょっと寝るわ』と言うので、私も横になった。すると、意識が朦朧としている状態で、返事がなかったので救急車を呼んだ。すでに呼吸がなかったけど、心臓マッサージをした。
救急車には私も乗った。達也の父や兄に『達也が大変なことになっているから来てほしい』と電話した。達也が翌日に亡くなった後は『解剖するから会えない』と言われました」
弁護人「関係者に『Xは殴っていないことにしてくれ』『食事はたくさん食べていたと言ってくれ』と頼んだことはありますか?」
被告人「一切ありません」
弁護人「自首はしてませんね?」
被告人「Xのこともあったし、自分も殴っているんで、これからどうなるんやろうと……。警察には言えませんでした」
小林被告は岡田さんの兄に電話をかけて、金を脅し取ろうとした恐喝未遂罪にも問われているが、「金を貸さんならヤクザを連れてそっちに行くぞ」と言ったことや、「妻と別れるために弁護士費用が必要だ」と言ったこと、「妊娠した子どもを堕ろす費用が必要」と言ったことなど、被害者側が訴えている内容すべてを「言ってない」と否定した。あくまで自分は悪くないという態度だ。
しかし、検察側はLINEに残っているメッセージや関係者の証言などをもとに、反対尋問で小林被告に斬り込んでゆく。