被告人「妻の悪口が大半。給料を取りに付いてくるし、お金を全部向こうの親に取られると言っていました。結婚生活が不満で、『妻は浮気しているし、別れたい』と言うので、ここにいたらいいと言うと、『いいんやったら、おらしてもらうわ。ありがとう』ということになりました」
それで早々と同居することになり、小林被告の長女も合わせて3人で生活することになった。岡田さんと小林被告の長女は年齢も近く、「妻よりも彼女と付き合いたい」ということで、交際することになった。小林被告も交際に賛成し、「ここで頑張って仕事して、2人でうまくやっていきなさい」と応援していたという。
同じ部屋で寝ているうちに肉体関係を持ってしまい…
それから2カ月後の2018年12月、事件の共犯者とされる三男のX(21歳。傷害致死罪などで懲役11年、控訴中)が家に帰ってきて、4人で生活するようになった。小林被告は生活保護を受けている立場だったので、家賃を除いて月10万円あまりの保護費とXからもらう1万~2万円が生活費だったという。
だが、岡田さんと小林被告の長女の交際は長く続くことはなく、2019年1月には小林被告の長女が家を出て行ってしまった。それからは小林被告とXと岡田さんの3人暮らしになった。岡田さんは小林被告と同じ部屋で寝たりしているうちに肉体関係を持ってしまい、今度は小林被告と付き合うことになった。そのことを小林被告は「年が離れているし、周囲には恥ずかしくて言えなかった」と言うが、息子のXですら事情を知らず、「なぜ岡田さんが家にいるのか分からなかった」と述べるほどだ。
その後、岡田さんは仕事を辞めてXが勤めている解体屋で働くことになった。小林被告とXは岡田さんのことを「ハゲ」と呼び、給料を取り上げたり、家事などの雑用を命じたり、妻とは早く離婚するように求めていた。
岡田さんが2019年5月に仕事を辞めてからは、暴行や食事制限がエスカレートしていったとみられるが、小林被告はこれらをすべて否定している。関係者の証言や遺体の損傷具合などをまるで無視した証言だ。
「あなたが一方的に暴力を振るったことは?」
弁護人「達也さんから一方的に暴力を振るわれたことはありますか?」
被告人「2~3回ありますね。髪をつかんで引きずり回され、背中を蹴られました」
弁護人「お互いに手を出したのは?」
被告人「5~6回ありますね。結婚に関するケンカの流れもあったし、2人が同じようなことでイライラしたり、そういうのが原因。ケンカで道具を使うことはありません」
弁護人「あなたが一方的に暴力を振るったことは?」
被告人「10回ぐらいあります。手や足の甲を金属の棒でたたいた。他は肩とお尻を1~2度たたいた。手や足にアザができてたか、青くなっていたかはハッキリ分からないけど、骨折するようなケガではない」
弁護人「血が出ていたことは?」