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被告人「達也が左手の甲を火傷していて、それを忘れて1回だけたたいて、血が出たことがあった」

弁護人「火傷の原因は?」

被告人「私はトイレに入っていて見ていない。私が足に火傷したことがあったので、そのときの薬を塗ってあげた。『包帯を替えるのが痛い』と言うので、靴下をかぶせた。病院へは行っていない。達也の妻に『保険証が欲しい』と連絡したが、受け取れなかった」

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 この点も小林被告の供述が変遷していて、捜査段階では「フライパンの油をかけた」と説明しているのだ。それがなぜか火傷の瞬間を見ていないことになっている。

「パチンコで負けたから暴力を振るったということは?」

弁護人「なかなか新しい仕事に就かないから暴力を振るったということは?」

被告人「ないです」

弁護人「食料を無断で食べたから暴力を振るったということは?」

被告人「ないです」

弁護人「長女は『達也さんに金属の棒を持たせて火傷している左手をたたかせていた』と証言しているが、これは事実?」

被告人「事実ではありません。火傷する前もそんなことはさせていません」

弁護人「パチンコで負けたから暴力を振るったということは?」

被告人「ありません」

弁護人「Xが達也さんに暴力を振るったことは?」

被告人「夏頃、スパーリングしているのを2~3回見たことがあります。(事件直前の)9月や10月は見たことありません」

弁護人「あなたがやらせたということは?」

被告人「ありません」

弁護人「あおったりしたことは?」

被告人「ありません」

弁護人「Xはどうして暴力を振るった?」

被告人「仕事してないんだから、ゴミ出しぐらいしといてくれというようなものでした」

©諸岡宏樹

あくまでも自らは手を出していないと主張

 さらに家に出入りしていた関係者が暴行し、岡田さんが左腕を木刀で殴られ、腕が曲がりにくくなったことについて、「達也が痛くないと言うので、病院に行きませんでした」と説明。岡田さんが鼻を膝蹴りされ、タオル一面が真っ赤になるほどの出血があったこと、右足に深い傷を負ったのは「達也がフェンスの上に乗って飛んだ。そのときに着地に失敗してケガをした」と述べるなど、あくまでも自らは手を出していないという主張を続けた。

 さらに主尋問は食事制限に関することに及んだ。小林被告には良心の呵責が感じられない。血糖値が14まで下がり、体重が36.8kgまで落ちていたのは、小林被告の“恒例”の食事制限が原因であることが明らかなのに、これも堂々と否定した。

弁護人「達也さんにはどんな食事を出していましたか?」

被告人「夕食は私が準備しますし、私はおかずとビール、達也は唐揚げや惣菜を買ってくることが多かったですね」

弁護人「お米は?」

被告人「小ぶりの丼に普通の量です」

弁護人「食事の回数は?」

被告人「最初は2食でした。でも、私が8月半ばぐらいから1食だけしか食べなくなると、『オレもそれでいいわ』と言われ、夜に1食だけになりました」

弁護人「数日に1食ということは?」

被告人「ないです」

弁護人「虐待するために食べさせないということは?」