テレビ朝日入社初日に『報道ステーション』の気象キャスターとしてデビューを果たし、その後も『グッド!モーニング』『羽鳥慎一モーニングショー』などの番組で活躍した宇賀なつみさん(36)。2019年3月末にテレビ朝日を退社し、現在はフリーアナウンサーとして活動の幅を広げている。旅を通して自身の半生を振り返った初エッセイ『じゆうがたび』(幻冬舎)も好評だ。
そんな彼女に、アナウンサーを目指したきっかけや入社初日に気象キャスターに抜擢された当時の心境などを聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く)
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小学生の頃から遊び感覚でラジオパーソナリティの真似をしていた
——アナウンサーを目指したきっかけを教えてください。
宇賀なつみさん(以下、宇賀) 小学校の卒業文集では、「将来の夢はアナウンサーか新聞記者」と書いていました。
小学生の頃からテレビやラジオが大好きで、ラジオパーソナリティのお姉さんの喋り方やテレビの提供読みを真似したりしていたんです。正直、当時はアナウンサーの仕事についてよく理解していなくて、遊び感覚だったと思うんですけど。
あとは学校でも新聞係や放送委員をやっていました。学芸会でも選んだのはナレーター役。今考えたら、「自分が見聞きしたものや感じたことを誰かに伝えたい!」って気持ちが強かったのかも。家でも両親に「聞いて聞いて! 今日こんなことがあってね」とずっと喋っているような子でした。
多忙でほとんど家にいなかった大学時代
——明るくて社交的なお子さんだったんですね。
宇賀 でも元々は、結構内気なところもあって。授業中にみんなの前で教科書を朗読しなきゃいけない、みたいな場面になると途端に緊張してしまう。そんな弱い自分が嫌いで、もっと強くなりたくて、あえて苦手な放送委員やナレーターに立候補して、自分を鍛えようとしていたのだと思います。
——ちなみに、憧れのアナウンサーはいたのでしょうか。
宇賀 卒業文集に「将来の夢はアナウンサー」と書いていたのにひどい話なんですけど、高校や大学では学生生活を謳歌しすぎて、あまりテレビを観なくなってしまって(笑)。
特に大学では授業やアルバイト、サークル活動に恋愛……と忙しくてほとんど家にいなかったから、テレビをつける時間もなかった。だから正直、どんな番組があってどんなアナウンサーがいるのかもよく分かっていませんでした。