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田中容疑者が町内会で見せていたギャンブル好きの一面

 昨年6月、北海道警が逮捕したときの報道では、職業は「自称警備業」だった。老後に仕事をしているというのに、さらに闇バイトにも手を出してしまったのだろうか。

 この住民の他にも、田中容疑者の人柄を「頼れるしっかりした人」というイメージで語る知人は多い。町内会の役員や、容疑者の子供が幼かった頃にはPTAに積極的にかかわっていたという証言もある――しかし。

「よくよく考えたら、話は通るというか。田中さんが町内会で役員をやっていたときに、別の役員の方の自宅で集まることがあったんですよね。そんな折に田中さんが『レースの時間だから、競馬のテレビ番組が見たい』と言ったそうです。こういうときにもレースを見逃したくないくらい、ギャンブルが好きなんだなとは思っていました」

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 と話すのも田中容疑者の近所の住民だ。

「奥さんおっしゃってたんだけど、仕事の連絡が携帯電話に来るようになったみたいなんです。誰かから連絡が来て、『仕事で北海道に行ってくる』って急に言うらしい。奥さんはまさか80歳を超えた亭主が変なことをしているなんて疑わないでしょうから、どうぞいってらっしゃい、って特に不審にも思わず送り出していたみたいなんです。それがまさか詐欺事件だったなんて……」

自宅はローンの担保で所有者は別の人物に

 築数十年の自宅は豪邸ではないが、田中容疑者が手入れをしていたせいか、とてもこぎれいに保たれている。ただ、登記簿を見ると、一昨年に不動産を担保に田中容疑者はローンを組んでおり、数カ月後には、所有者が別の人物となっていた。

容疑者自宅

 自宅のチャイムを押し記者が名乗ると、容疑者の妻とみられる女性が「急いでいます」「結構です」「すみませんね」と丁寧な口調だったが、取材には応じなかった。

 ギャンブル好きが高じて、自宅を手放すほどに追い込まれて、「受け子」という道に外れてしまったのだろうか。高齢ながら周囲も認めるほどの体力があだとなり、北海道から大阪まで詐欺のために移動できてしまったのか。現在、田中容疑者は裁判を受けながら、各地の捜査機関が順次進めている捜査も待つ身でもある。